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【大相撲】

白鵬、琴勇輝下し連敗阻止 中日・吉見が朝稽古を見学

2016年7月16日 紙面から

ちゃんこ鍋や肉野菜炒めなどを前に明るい表情の白鵬(左)と吉見=名古屋市緑区の宮城野部屋宿舎で(黒田淳一撮影)

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◇名古屋場所<6日目>

(15日・愛知県体育館)

 横綱白鵬(31)=宮城野=が小結琴勇輝を退けた。連勝が33でストップしてから一夜明けたこの日は、親交のある中日・吉見一起投手(31)が朝稽古を見学。友にエールを送り、土俵では1敗を守った。綱とりが懸かる大関稀勢の里(30)=田子ノ浦=は軍配差し違えで辛くも妙義龍を突き落とし、連敗を免れて1敗をキープ。平幕逸ノ城が敗れたため全勝が消え、1敗で9人が並ぶ混戦となった。

 3場所かけて積み上げてきた連勝を33で止められた、痛恨の黒星から一夜明けた朝稽古。白鵬は普段と変わらないどころか、身ぶり手ぶりで笑わせながら宝富士戦を振り返った。

 「顔がかわいい。もういい、やめてくれって顔をしてた。そーおーって思って出たらね。宝富士の顔にだまされた」

 これも経験がなせる業か。笑い話に仕立ててしまうほど、気持ちは6日目に向けて切り替わっていた。

 迎えた琴勇輝戦。突き合いから瞬時の突き落とし。「やっぱり(負けた翌日は)気を引き締めていこうという思いはあります」と言いつつ、「先場所は(目の前から)消えた、とか言ってたから消えないようにいったのに」と、ここでも笑わせた。

 横綱のこの切り替えの早さ、心の持ち方に驚いたのが、中日の吉見一起投手だった。2年前に食事をしたことが縁で、この日の朝稽古を家族と見学。同学年であること、9年前に結婚したこと、奥さんが1学年上であること、3人の子の親であることも同じ2人は意気投合し、ちゃんこに舌鼓を打ちながら話が弾んだ。

 そこでも白鵬は「きのうは負けたけど、それが相撲。相撲は勝ったけど勝負に負けた。野球でいったら何だろう。試合は勝ったけど、(投手として)勝負に負けたって感じかな」と明るく笑い飛ばした。右肘痛と闘う吉見を「大丈夫ですか」と気づかい、自身も右肘に痛みがあることを伝えると、「みんなどこかけがしてる。ない方がおかしい。いかにうまく付き合うかですね」とエールを送った。

 白鵬の一言一言が吉見の心に染みた。「すべてにおいてすごい。負けてるにもかかわらずケロッとしていた。切り替えの早さがすごい。けがをして、若い子たちに奪われている立場で、いいタイミングで来ることができた。もやもやしたものがあったけど、それが取れた」。前向きに戦い続けることの大切さ。白鵬はこれからも土俵で表現し続けていく。 (岸本隆)

 

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