蹴球探訪
奇跡の初優勝見えた レスター・岡崎が激白「試合後はいつも悔しい」(4月27日)
【大相撲】稀勢の里2敗で綱とり崖っぷち ああ…名古屋ため息2016年7月20日 紙面から
◇名古屋場所<10日目>(19日・愛知県体育館) 綱とりの大関稀勢の里(30)=田子ノ浦=が平幕の松鳳山に突き落とされて2敗目を喫した。両横綱は白鵬が関脇栃ノ心を寄り切り、日馬富士は小結高安を渡し込んで連敗を免れ、ともに8勝目。高安も8勝2敗。1敗が消え、宝富士を加えた5人が2敗で首位に並ぶ混戦となった。10日目で2敗がトップなのは2007年九州場所以来。かど番の照ノ富士は勢に敗れて5敗目となった。 こんな展開は稀勢の里も想定外に違いない。過去9勝1敗と大きく勝ち越している松鳳山に立ち合いで変化を食う。体が泳いだ稀勢の里は大きく足を開いて両手をついた。瞬時に突き落とされて2敗に後退した横綱最有力候補に、館内からため息が漏れた。 土俵から下りて思わず顔をしかめた。「しまった」と言いたげな顔で、視線を落として引き揚げた。風呂から上がっても負のオーラは洗い流せない。報道陣の質問にも「うーん」の連続。生返事ばかりだった。 横綱昇進の絶対条件は初優勝だ。審判部は場所前、12勝で優勝しても昇進できる可能性を示していた。一方で、横綱審議委員会は異なる考えだ。2場所連続で13勝を挙げた夏場所後に守屋秀繁委員長は「内容にもよるが、たとえ優勝しても13勝では難しいんじゃないですかね」と話していた。残り5日間を全勝して13勝で賜杯を抱いても、平幕に喫した2敗が綱とりに大きく響く可能性もある。 ただ、初Vとその先の横綱昇進が消滅した訳じゃない。稀勢の里も分かっているはずだ。八角理事長(元横綱北勝海)は優勝争いに「振り出しに戻ったと思えばいい。気持ちの持ちようだ。自分を信じていくしかない。(こういう中で)勝つ人が強い」と期待する。 18年ぶりの和製横綱誕生の期待から、稀勢の里には15日間で白鵬を上回る指定懸賞が懸けられた。朝稽古後に「本当、ありがたい。ちょっと前だと信じられない。これからもっとしっかり相撲を取って『懸けてよかったな』って思えるように」と力を込めた。期待に応えるには初V&横綱昇進しかない。チャンスのある限り、綱への道を歩み続ける。 (永井響太) PR情報
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