南シナ海問題 中国がASEMで外交攻勢

南シナ海問題 中国がASEMで外交攻勢
アジアとヨーロッパの首脳や閣僚らが参加するASEM=アジア・ヨーロッパ首脳会議に出席している中国の李克強首相は、中国と伝統的に結びつきの強い国々と個別に会談を重ねて、南シナ海を巡る問題でみずからへの支持を働きかけるための外交攻勢を強めています。
アジアとヨーロッパの53の国と機関の首脳や閣僚がテロへの対策や世界経済などの問題について意見を交わすASEM首脳会議は、15日から2日間の日程でモンゴルの首都ウランバートルで開かれています。

今回のASEMは、国際的な仲裁裁判で、中国が南シナ海のほぼ全域の管轄権を主張しているのは法的根拠がなく国際法に違反するとした判断が示されてから初めてとなる国際会議で、出席した中国の李克強首相は、中国と伝統的に結びつきの強い国々と個別に会談を重ねています。

国営の新華社通信によりますと、李首相は15日、カンボジアのフン・セン首相と会談し、「当事国どうしが直接対話を通じて問題を解決すべきだ」との考えで一致したということです。このほか李首相は、ロシアやラオスなどの首脳とも意見を交わし、南シナ海を巡る問題でみずからへの支持を働きかけるための外交攻勢を強めています。

報道陣の取材に応じた李首相は「われわれは国際法に合致していない仲裁裁判の判断を受け入れない」と述べ、仲裁裁判の判断は不当だとする立場を改めて示しました。