球宴前日恒例のＨＲ競争　スタントンが新記録で制す

　【サンディエゴ穐村賢】大リーグの第８７回オールスター戦（球宴、１２日・サンディエゴ）の先発投手が１１日発表され、ア・リーグは１４勝３敗の左腕クリス・セール（２７）＝ホワイトソックス、ナ・リーグは１３勝１敗の右腕ジョニー・クエト（３０）＝ジャイアンツ＝に決まった。ともにリーグの勝ち頭。両投手は前日会見で互いの健闘を誓い合った。球宴前日恒例のホームラン競争はマーリンズの若き主砲ジアンカルロ・スタントン外野手（２６）が制した。

　イチローの同僚、スタントンが規格外のパワーを見せつけた。Ｒ・カノ（マリナーズ）との１回戦で２４本、Ｍ・トランボ（オリオールズ）との準決勝でも１７本を放って危なげなく勝ち進むと、決勝の相手は昨年覇者のＴ・フレージャー（Ｗソックス）。疲れを見せることなくスタントンが２０本塁打をマークすると、１３本塁打に終わったフレージャーを退けて初優勝を飾った。計６１本塁打は（競争方法が異なり、単純比較はできないものの）、これまでの記録を２０本も更新した。

　シーズン前半戦は不振に陥った時期もあって球宴選出はならなかったが、メジャー屈指のパワー、飛距離を買われての特別参加で優勝をかっさらい、「このためだけに西海岸に飛んできて、トロフィーを持って帰れなかったら無駄足になるところだったね」と屈託のない笑顔を浮かべた。打撃投手を務めたマ軍のシャイン・コーチも「たったの１３分半で６１本の本塁打を打つなんて、人間のやることじゃないな」と目を丸くした。

　本数だけでなく飛距離も圧巻だった。６１本の本塁打の総飛距離は５・１マイル（約８・２キロ）という驚愕（きょうがく）の数字。本人は「８０〜９０％の力で打った」と涼しい顔を浮かべたが、参加８選手で最長となる４９７フィート（約１５１メートル）弾を２発たたき込むなど、力の差を見せつけた。

　来年の球宴会場はマ軍本拠地マイアミ。勝手知ったる“庭”で連覇濃厚？