タレントの大橋巨泉さん死去82歳…人気番組で司会
「11PM」や「クイズダービー」のテレビ司会で知られる元参院議員の大橋巨泉(おおはし・きょせん<本名・大橋克巳=おおはし・かつみ>)さんが12日、急性呼吸不全のため死去した。82歳。葬儀は近親者のみで営んだ。後日、しのぶ会を開く。喪主は妻寿々子(すずこ)さん。
東京・両国生まれ。「巨泉」は高校時代の俳号。早稲田大を中退後、ジャズ評論・放送作家などを経てタレントに転身した。1966年4月、深夜番組「11PM」の司会に。「野球は巨人、司会は巨泉」のキャッチフレーズで一躍人気を得た。テレビ出演時にかけていた黒縁メガネは伊達メガネだった。
その後も「巨泉×前武 ゲバゲバ90分!」「世界まるごとHOWマッチ」「クイズダービー」など人気番組で活躍。競馬評論でも知られた。85年に「11PM」の司会を降板、90年には56歳になったのを機に「セミリタイア宣言」した。以降はカナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど大半を海外で過ごしてきた。
2001年7月に民主党公認候補として参院選比例代表に立候補し当選したが、有事法制など安全保障政策をめぐって当時の党代表・鳩山由紀夫氏ら執行部と意見が対立。就任半年で議員辞職した。
前妻との間に娘が2人おり、いずれもジャズシンガー。愛川欽也、財津一郎さんらと「昭和九年会」を結成している。
05年に胃がん、13年に中咽頭(いんとう)がんの手術を受けながらも執筆活動を続けた。週刊現代の連載は6月27日発売号で最終回を迎え、「最後の遺言として一つだけは書いておきたい」として「選挙民をナメている安倍晋三に一泡吹かせてください」と参院選での野党への投票を呼びかけた。