韓経:高所得外国人「税金特恵」に手を加える=韓国

韓経:高所得外国人「税金特恵」に手を加える=韓国

2016年07月18日13時10分
[ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版]
comment
0
share
このエントリーをはてなブックマークに追加
mixi
  韓国政府が国内で勤務する外国人役員の勤労所得に最初の5年間17%の単一税率を適用する「外国人勤労者課税特例制度」(租税特例制限法第18条の2)に手を加えることにした。国内の勤労所得者には最高38%にのぼる累進所得税率を適用する状況で、高所得外国人にのみ低い単一税率を適用し、「外国人富裕減税」論争が続いている点などを考慮した措置だ。

  関連部処によると、企画財政部は今年末に外国人勤労者課税特例制度期間が満了するのをきっかけに制度再設計作業をしていることが確認された。企画財政部の関係者は「高級海外人材の誘致など制度の効果を考慮するが、17%の単一税率賦課方式は調整する方針を決めた」と述べた。

  企画財政部は▼税率を従来の17%から一定幅を上方修正する案▼17%は維持するものの一定の所得を超えれば税率を累進的に高める案▼課税特例対象者を変更する案--などをめぐり、それぞれの長所・短所と税収に及ぼす影響を分析している。企画財政部は最終案を確定し、今月末に発表する「2016年税制改編案」に盛り込むことにした。

  外国人勤労者課税特例制度は海外高級人材の誘致を増やして税源を拡充し、国内産業発展の動力にしようという趣旨で導入された。韓国の最高所得税率は38%と、45%を超える日本、ドイツ、フランスなど先進国より低いが、15-20%にすぎない香港やシンガポールなど競争国より高い。

  過去に課税特例がない時期、外国人勤労者は韓国に発令されながらも香港などを住居地として所得もそこで受けるケースが多かった。税金を減らすためだ。外国人勤労者課税特例はこうした問題を解消するための一種のインセンティブとして政府が導入した。税金を香港など競争国レベルに引き下げ、外国人勤労者が正式に韓国で勤務して税金を納めるようにし、家族の移住を誘導して国内の消費を増やそうとした。

  課税特例制度で外国人勤労者は韓国で2つの方式のうち一つを選択して所得税を出すことができる。韓国人勤労者と同じ方式で各種控除を受けて年末調整をすることも可能で、控除を受けない代わりに所得に対して特例税率17%の適用を受けることもできる。

  ホン・ギヨン仁川大経営大学教授は「いわゆる『3K業種』に従事する低賃金外国人労働者は年末調整をすれば各種控除を受けて免税点以下に落ち、税金を納付しない場合がほとんど」とし「これに対してエンジニアやデザイナーなど高年俸を受ける外国人役職員は17%の特例税率の適用を受けて節税する傾向が強い」と説明した。

  このため6-38%の累進所得税率を適用される韓国人勤労者と外国人勤労者の間の逆差別という声が提起されてきた。先端分野の技術者の所得税を50%減免する「外国人技術者に対する所得税減免」(租特法18条)制度がある状況で、追加で17%の特例税率制度を導入したことで、高年俸外国人勤労者が「富裕減税」の恩恵を受けているという指摘もあった。課税特例を通じて外国人勤労者は2013年までに約2500億ウォン(約2300億円)、2014年以降は1500億ウォンほどの税金を削減したと把握されている。

  政府もこうした点を勘案し、2012年の税制改編案で外国人勤労者課税特例比率を15%から17%に高めたりもした。

  しかし専門家らは課税特例制度の急激な改編は副作用を招くだけに慎重に推進するべきだと指摘した。チョン・ギュアン崇実大会計学科教授(韓国納税者連合会長)は「税金負担が急激に高まれば、外国人勤労者が香港など競争国に離脱する現象が再現し、税源自体が消えることもある」とし「税収確保の側面だけで見るのではなく、競争国の税率も勘案しながら徐々に課税特例制度を改める必要がある」と述べた。

  ホン教授は「国内外の景気が良くないうえ、英国の欧州連合(EU)離脱など不確実性まで高まる状況で、今は制度をそのまま置くことも方法の一つ」と話した。
【今日の感想】この記事を読んで・・・
興味深い
悲しい
すっきり
腹立つ
役に立つ

今日のイチオシ記事