ソフトバンクグループは18日、英国の半導体設計大手ARM(アーム)ホールディングスを買収することで合意したと発表した。買収総額は約240億ポンド(約3.3兆円)で、日本企業によるM&A(合併・買収)としては過去最大規模となる。

 孫正義社長は同日ロンドン市内で記者会見し、今回の買収について「非常に大きなチャンスであり、将来を信じて投資した」と言明。今後の成長が見込めるIoT(モノのインターネット)ビジネスを勝ち抜くため、戦略的な投資に踏み切ったと強調した。

 ARMはスマートフォンやタブレット端末向けの半導体を設計し、そのライセンスを世界の半導体メーカーに提供している。特にスマホ向けは、全世界の95%で同社の技術が使われているという。2015年の売上高は約9億6800万ポンドだった。

 ARMに関して孫氏は「スマホの完全なる成功者だ」と高く評価。同社の独立性に配慮するとともに、「今後5年間で雇用を倍増したい」と述べ、技術開発力のさらなる向上を目指す考えを明らかにした。

 ソフトバンクグループは、英裁判所での承認などを経て、ARMの発行済み株式と、発行予定株式の全てを現金で買い付ける。9月末までに手続きを完了し、完全子会社とする。買収資金のうち、1兆円は、みずほ銀行のつなぎ融資で調達する。