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[東京 18日 ロイター] - ソフトバンクグループは18日、英半導体設計ARMホールディングスを約240億ポンド(約3.3兆円)で買収すると発表した。あらゆるものがインターネットにつながるIoT(インターネット・オブ・シングス)時代を見据え、同領域に強みを持つ同社を買収することで需要の取り込みを目指す。
日本企業による海外でのM&A(合併・買収)としては過去最大規模になる。
孫正義社長はロンドンで行った会見で「IoTは人類史上もっとも大きなパラダイムシフトになる」と指摘。「IoTの時代の中心の会社はARMだ」と述べ、買収に自信を示した。
<財務の健全性への不安は否定>
1株当たりの買収額は17ポンドと、15日終値(11.89ポンド)に約43%上乗せした。9月30日までの完了を目指し、完全子会社化する。
買収資金はみずほ銀行の借入限度額1兆円のつなぎ融資(ブリッジローン)と手元資金で賄う予定。
孫社長は買収価格が高すぎるのではないかとの見方について「過去の利益からみれば高いと言えるかもしれがいが、将来の成長余力から言えば非常に安く買えたと理解してもらえるのではないか」と反論。財務の健全性に対する懸念に対しては「純有利子負債/EBITDA倍率はそれほど大きく変わらない」として「社債保有者は買い増す最高のチャンスだ」と不安の払しょくを図った。
買収でのれんの規模が膨らむことに関しては「米スプリントと違って、ずっと黒字で純利益も増えている会社なので、のれんの評価減を立てなければいけないようなリスクはほとんどない」と楽観的な見方を示した。
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