152年ぶり、龍頭ズシリ 祇園祭・大船鉾
鉾建てを進めている祇園祭の大船鉾(京都市下京区新町通四条下ル)は19日、今年新調した木彫の龍頭を鉾に取り付けた。以前の龍頭は幕末に焼失しており、鉾に取り付けるのは少なくとも152年ぶりという。
新調した龍頭は、高さ約2メートル、重さ約220キロ。米原市の彫刻師森哲荘さん(69)らが、主にヒノキを用いた寄せ木作りの龍を作った。
午後5時半、龍頭を寄進した瀧尾神社(東山区)の神職が作業の無事を祈願した。続いて、龍の頭の部分を輿(こし)に載せ、3本の剣鉾とともに新町通の四条-綾小路間を引き回し、町内にお披露目した。龍頭が、会所2階から橋掛かりを渡って鉾に取り付けられると、見守っていた人たちから拍手が上がった。
幕末までの大船鉾は、巡行の際に大金幣(きんぺい)と龍頭を1年交代で船首に設置していた。1864(元治元)年の禁門の変の大火で、龍頭を含む鉾の大部分を焼失。2014年に鉾が再建されてから2年間は、焼失を免れた大金幣を使った。今年は龍頭を取り付けて24日の巡行に参加する。
【 2016年07月19日 22時30分 】