経営のトピックス-PR-
トヨタの“IoTショールーム”、名古屋の次世代店舗はサービスで稼ぐ
晴天に恵まれて、汗ばむ陽気となった初夏の某日。筆者は愛知県みよし市にいた。自動車販売会社の名古屋トヨペットがトヨタ自動車の協力を得て、2016年3月にリニューアルオープンした次世代店舗の「三好店」を訪問するためだ(写真1)。
この三好店、実は今はやりのIoT(インターネット・オブ・シングス)の事例がてんこ盛りだ。トヨタ車の展示だけではなく、最新のIoT活用例まで見学できる、“IoTショールーム”のようにもなっている。三好店を見れば、トヨタが販売の現場でやろうとしていることの多くを確認できるというわけだ。
これまでに何軒もの自動車ディーラー店舗を取材してきた筆者も、今回は訪問前から非常にワクワクしていた。果たして、どんな未来像が見られるのか。
ゲートカメラとスマートウオッチでお出迎え
三好店に車で到着すると、最初に筆者の目に飛び込んできたのは頭上にあるゲートカメラだった(写真2)。普通の監視カメラのようにも見えるが、実はこのカメラで来店客が乗りつけた車両のナンバープレートを全て自動で読み取り、顧客サービスの向上につなげる仕掛けだ。
まず読み取った登録ナンバーを、瞬時に顧客データベースと照合。既存顧客であれば、来店客の氏名とその日の要件や予約内容を自動で検索。結果をフロントにいるアテンダントや営業担当者、整備担当者のスマートウオッチ(Apple Watch)に転送し、来店を通知する(写真3)。
こうすることで、顧客が来店したときのスタッフの「最初の一歩」を少しでも早める。アテンダントは迷わず入り口に駆け出し、「鈴木様、いらっしゃいませ。本日は車検でご来店ですね」と顧客の名前を添えて第一声を発し、笑顔で出迎える。
ゲートカメラを使って顧客を特定するサービスに驚く人も少なくない。だが顧客にはおおむね好評だという。
連載新着記事一覧へ >>
- 途上国で銀行を起業、2人の日本人が20億人市場に参入できたワケ (2016/07/19)
- 自治体のセキュリティ強化策、マイナンバー本格運用に間に合う? (2016/07/15)
- 誰も教えてくれないが、身につけないといけないスキル (2016/07/14)
- NTT東西の「光コラボ」で異業種の参入は進んだか (2016/07/13)