IOC ロシアの出場認めない場合の法的根拠を検討
ロシアが国家主導での組織的なドーピングを行っていた問題で、IOC=国際オリンピック委員会は、19日に開いた緊急理事会で、ロシア選手団のリオデジャネイロオリンピック出場について結論を出さなかったものの、選手団の出場を認めない場合の法的な根拠などについて検討を進めることになりました。
IOCは19日に電話による緊急理事会を行い、組織的なドーピングを行っていたロシアへの対処や制裁について協議しました。そして、焦点となっているロシア選手のリオデジャネイロオリンピック出場を認めるかどうかについては、結論に至りませんでした。
その理由についてIOCは、組織的なドーピングを理由にロシア選手団のオリンピック出場を認めなかった場合、選手個人の持つ権利を不当に侵害しないかどうかを見極めるため、法律の専門家の意見を聞きたいとしています。さらに、国際陸上競技連盟による国際大会への出場資格停止処分の取り消しを求めロシアの陸上選手がCAS=スポーツ仲裁裁判所に訴えた裁定が今月21日までに出る予定のため、その結果も待つことにしています。
このように、IOCは、選手団の出場を認めない場合の法的な根拠などについて検討を進めることにしていて、最終的な判断は今月21日以降となる見通しです。
リオデジャネイロオリンピックを巡っては、出場選手の登録がすでに今月18日に締め切られていて、開幕が来月5日に迫るなか、IOCの判断に注目が集まります。
その理由についてIOCは、組織的なドーピングを理由にロシア選手団のオリンピック出場を認めなかった場合、選手個人の持つ権利を不当に侵害しないかどうかを見極めるため、法律の専門家の意見を聞きたいとしています。さらに、国際陸上競技連盟による国際大会への出場資格停止処分の取り消しを求めロシアの陸上選手がCAS=スポーツ仲裁裁判所に訴えた裁定が今月21日までに出る予定のため、その結果も待つことにしています。
このように、IOCは、選手団の出場を認めない場合の法的な根拠などについて検討を進めることにしていて、最終的な判断は今月21日以降となる見通しです。
リオデジャネイロオリンピックを巡っては、出場選手の登録がすでに今月18日に締め切られていて、開幕が来月5日に迫るなか、IOCの判断に注目が集まります。
みんなが納得できる決定を
IOC=国際オリンピック委員会の判断について、JADA=日本アンチドーピング機構の浅川伸専務理事は、「ロシアがどんな行いをしてきたかということに対して強硬な決定をすることにちゅうちょするべきでないという意見の一方、ドーピングをしていない選手の権利を守るべきだという意見があったのではないかと思う」と話しました。そのうえで、「スポーツに大国、小国という議論は似つかわしくないが、ロシアという大国のアスリート全体に対してオリンピックとパラリンピックへの参加拒否を検討すべきだというWADAの勧告について十分に議論をしてステップを踏む必要があるということだろう」と述べました。
また、「IOCは、みんなが納得のできる決定を導いておかないと、オリンピックで競技に先行してドーピング問題が議論されることになってしまう。私の思いとしてはスポーツの中心にあるアスリートがパフォーマンスを最大限発揮する場がオリンピックの舞台であってほしいと思っている。人生をかけているアスリートがIOCの決定を聞いてがっかりしないような決定を出してもらいたい」と話していました。
また、「IOCは、みんなが納得のできる決定を導いておかないと、オリンピックで競技に先行してドーピング問題が議論されることになってしまう。私の思いとしてはスポーツの中心にあるアスリートがパフォーマンスを最大限発揮する場がオリンピックの舞台であってほしいと思っている。人生をかけているアスリートがIOCの決定を聞いてがっかりしないような決定を出してもらいたい」と話していました。
IOCは組織防衛で結論出さず
今回のIOCの判断について、スポーツ倫理が専門でドーピング問題に詳しい早稲田大学の友添秀則教授は、「クリーンな選手まで出場を止めてしまうのは法的にいかがなものかという声がずっとあるなかで、個人の権利をはく奪することがIOCに可能かどうか、はっきり自信がなかったんだと思う。IOCとしては、より完全に組織防衛を行うという方向性で結論を出さなかったんだと思う」と話しました。
そのうえで、「ロシアの国としての参加を認めてしまうと、IOCそのものの存在意義がなくなると思う。誰もが公平でクリーンであるということで選手たちが集まってくるなかで、明らかに不当な違反行為を行ってきた国の参加を認めることはIOCとオリンピックの重大な危機になると思う」と、厳しい判断が下されるべきだという考えを示しました。
そのうえで、「ロシアの国としての参加を認めてしまうと、IOCそのものの存在意義がなくなると思う。誰もが公平でクリーンであるということで選手たちが集まってくるなかで、明らかに不当な違反行為を行ってきた国の参加を認めることはIOCとオリンピックの重大な危機になると思う」と、厳しい判断が下されるべきだという考えを示しました。