「加工食品の賞味期限は月単位に」業界団体が新指針

「加工食品の賞味期限は月単位に」業界団体が新指針
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賞味期限を1日過ぎただけで廃棄されるといったむだをなくそうと、食品メーカーなどでつくる業界団体は、保存期間が比較的長い加工食品の賞味期限は、日付単位ではなく、より幅を持たせた月単位に改めるなどとした指針をまとめ、メーカーへの呼びかけを強化することになりました。
生鮮食品ではなく、一定期間保存できる加工食品は、賞味期限を日付単位か月単位かのいずれかで表示することになっています。
これまで食品メーカーなどでつくる「製・配・販連携協議会」は、1日でも期限を超えると廃棄処分となることから、加工食品についてはメーカーに対して月単位の表示を促してきましたが、普及が進みませんでした。このため業界団体は、賞味期限がおおむね1年以上の調味料やレトルト食品などでは、月単位の表示に改めることを明文化した新たな指針をまとめました。
また、指針では、廃棄処分が増える要因の一つとして指摘されている「3分の1ルール」と呼ばれる食品業界の商慣習も見直しています。この慣習は、製造日から賞味期限までの期間を3等分し、メーカーや卸売り業者は最初の3分の1の期間までに小売り店に納品するというものです。3分の1を超えるとメーカーなどはしかたなく廃棄していますが、新たな指針では賞味期限が180日を超える飲料や菓子については、残り期間が半分を過ぎていても店に納めるよう求めています。
業界団体はこうした取り組みで廃棄処分の食品を年間およそ4万トン削減できると見込んでいます。業界団体のメンバーである「味の素」の羽賀俊弘食品統括部長は、「メーカーと流通、小売りが一緒になって取り組むことでむだな廃棄を減らしていきたい」と話しています。

メーカーも努力

本来食べられるはずの食品が売れ残りなどで廃棄されてしまう「食品ロス」は、平成25年度の国の推計で632万トンに上っています。食品ロスを減らそうという試みは業界団体だけでなく、メーカーごとでも行われていて、マヨネーズの製造の際に酸素に触れにくくすることで劣化を防ぎ、賞味期限そのものを延ばす取り組みや、日本気象協会と共同で、豆腐の需要を気象データを参考にして予測し、食品ロスをあらかじめ防ごうという取り組みなども進んでいます。