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兄・正義が体系化した孫家秘伝のアイデア発想法

2016年7月20日(水)

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 設立したばかりのスタートアップ企業(ベンチャー企業)への投資・育成を手がけるMistletoe(ミスルトウ)の孫泰蔵社長兼CEO(最高経営責任者)。アジアにシリコンバレーのようなエコシステムを形成し、日本に、そして世界にイノベーションを起こそうと情熱を注ぐ。

 イノベーションを創出するには、その原点となるアイデアを考えることが必要だ。だが、「なかなかいいアイデアが出ない」「すぐに煮詰まってしまう」という人が多いことだろう。泰蔵社長には希代の起業家である次兄・正義氏、さらには父・三憲氏から受け継いだ「孫家秘伝」のメソッドがあるという。今回はビジネスパーソン垂涎の「アイデアの生み出し方」を紹介してもらう。

(前回はこちら

 アジアにシリコンバレーのようなエコシステムを形成し、日本に、そして世界にイノベーションを起こしたい――。私は今、Mistletoeを舞台に、こんな思いで活動を続けています。

 イノベーションが生まれる時には、その背景に、新しい発想や画期的なアイデアが必ずあるものです。しかし、イノベーションを起こしたいと願うものの、なかなかいいアイデアが思いつかないと嘆く人も少なくないでしょう。

 イノベーションの原点となるアイデアをどのように生み出せばよいのでしょうか。実は、孫家には秘伝のメソッドがあります。今回はそのメソッドを詳しく紹介しましょう。
 孫家のアイデア発想法、そのメソッドを体系化したのは次兄のソフトバンク社長・孫正義です。

 正義は16歳で単身、米国に渡りました。当時2歳だった私は全く記憶にありませんが、実はその当時、孫家の台所事情は火の車でした。父・三憲が肝臓の病に冒されて入院中。母と長兄が必死で家計を支えていたそうです。1ドル360円の時代。それでなくても貧しかった我が家にとって、多額の留学費用を出すのは極めて困難なことでした。

「英語もできないのに何を考えているのか」
 「せめて高校を卒業してからにしなさい」
 孫家の事情を知る親戚や学校の先生はみな正義の渡米を反対しました。しかし、正義の決意は固く、「どうしても米国に行って自分の人生を拓きたい。今このタイミングでないとダメなんだ! 数年後では遅いんだ」と食い下がります。

 その正義を、入院中の父が後押ししました。「正義は素晴らしい才能を秘めている。ここで将来の芽を摘んではいけない。行かせてやれ」と言ったのです。後ろ髪を引かれる思いだったとは思いますが、こうして正義は念願の米国留学を果たしました。

 米国に渡った正義は「一刻も早く一人前になって家族を楽にしよう」と決意します。米国の学校には飛び級制度がありますから、最短の時間で卒業しようと猛勉強しました。1日24時間のうち、睡眠にあてた6時間以外のすべての時間、食事中も入浴中も移動中も教科書を開き、勉強したそうです。猛勉強の甲斐あって、17歳で高校卒業の資格を得る検定資格に合格。19歳でカリフォルニア大学バークレー校経済学部に入学します。

 正義は大学で猛勉強を続けつつ、苦しい家計をなんとか助けたいという思いにかられていました。そして、「発明にチャレンジしよう」と思い至ります。画期的な発明をして特許を出願し、どこかの会社に売り込めば、ライセンスやロイヤルティーの形でキャッシュを得られると考えたわけです。

 ふつうならアルバイトをして学費の足しにしようと考えるところですが、最短で卒業するためには、1日18時間の勉強時間は絶対に削りたくない。時間をかけることなく最大の経済効果を得るにはどうすればよいか。そこで毎日、勉強の合間の15分だけを発明の時間にあてることにしました。「発明ノート」をつくり、自ら「どんなアイデアもいいから必ず1日に1個の発明をする」とノルマを課しました。

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