「これ。どうやって入れたでしょうか?」
ペットボトルの中にすっぽりと入った
タンポポの綿毛を見せると、子どもたちは
「えー!?どうしてっ」と案の定喰いついた。
今回は、季節外れのタンポポを使ったマジックを紹介します。みなさんも、どうすれば写真のように綿毛を入れることができるのか考えてみてください。ああ。窓の桟(さん)、掃除してから撮影すればよかった(^^;)
目次
季節外れなの?7月のタンポポ。
春の花のイメージがあるタンポポですが、7月というのに道端で咲いているのを発見。そもそも、タンポポの花っていつごろまで咲いているのでしょうか?
今回見つけたのは、セイヨウタンポポ
タンポポの花と茎がつながる部分「総苞(そうほう)」を観察してみると、下に反り返っていました(写真撮るの忘れた)。これで、ほぼセイヨウタンポポであることがわかりました。ちなみに、カントウタンポポなど在来種は、反り返っていません。
セイヨウタンポポは、ヨーロッパ原産の帰化植物で、環境省によって日本の生態系などに被害を及ぼすおそれのある外来種「生態系被害防止外来種」に指定されています。
セイヨウタンポポの花は秋口まで咲いている
調べてみると、セイヨウタンポポの花は、春先から秋口まで咲いていることがわかりました。在来種(カントウタンポポ)の3~5月と比べると長いことがわかりました。
驚いたのは、日本に帰化したセイヨウタンポポのほとんどが「単為生殖で増えることができる」ということ。「おしべの花粉がめしべに受粉して、種になって・・・」という有性生殖をしなくても、植物単体で種が熟してしまうのです。
つまり、セイヨウタンポポはクローンを次々と生み出すことができる驚異的な繁殖力を持っている。日本の生態系を脅かす帰化植物であるのも納得です。
タンポポの綿毛を壊さずにペットボトルの中に入れる
まずは、種あかし【動画】
こちらの動画(写真のサムネイル)をご覧ください。
ふわふわ繊細なたんぽぽの綿毛を、狭いペットボトルの口から中に入れてみた。
— 父さん がんばる。 (@origuchi_dai) 2016年7月16日
「綿毛を壊さずにどうやって、入れたでしょうか?」と問いかけると、「えー。どうしてっ!?」と喰いつく子どもたち。https://t.co/16vjVmcXAX
正解は、「綿毛が開く前に、ペットボトルの中に入れる」でした。
まずは、つぼみのように閉じた状態のタンポポの中から、先端が白い綿毛の一部が見えているものを探しましょう。見つかったら、つぶさないように慎重に摘み取り、ペットボトルの中に入れます。このタイミングなら簡単に中に入るでしょう。
このペットボトルをフタをしない状態で、日の当たる場所に放置します。すると、翌日には綿毛が開いてふわふわの状態でペットボトルの中に納めることができます。
綿毛をつくる前に花が一度閉じるという習性を利用
このマジックは、タンポポの綿毛ができる前に一度花が閉じるという習性を利用しています。また、例え植物本体から離れてしまっても、光が引き金となって綿毛が開く習性があるという仮説(自分で検証できないので、仮説とします)もカギを握っています。
タンポポの綿毛って一体何者?
綿毛はタンポポの花の「がく」が変化したもの
タンポポの綿毛は、「冠毛」と呼ばれ、花を支える「がく」にあたります。
あれ?タンポポのがくって、反り返りの有無で在来種と外来種を見分けたあの部分じゃないの?と思った方もいるのではないでしょうか。
先ほど、説明したようにタンポポの花のがくに見えるのは「総苞」。たくさんの花をまとめて支える部分なのです。ということは、1つの花に見えていたタンポポって、たくさんの花が集まったもの。ということになります。
花びらだと思われている部分一つ一つが、タンポポの花だった。
タンポポの花のつくりをイラストにしてみました。
タンポポの花は、およそ200個以上の花が集まってできています。その一つを引き抜いてみると、根もとに種のもとになる「子房」が確認できます。そして、その上に将来綿毛になる「冠毛」があります。
さらにその上に、おしべとめしべと花びら(花弁)が確認できます。一見1枚に見えるタンポポの花弁は、5枚がくっついたもの。これも写真を撮り忘れたので、実際に観察してみてくださいね。
綿毛は、花が咲く前から準備されていた。
タンポポの綿毛は、花になる前から形づくられていて、種が成長し熟すまでに準備が進められる。そして、丸いふわふわの綿毛が開き、風の力を使って遠くまで種を運ぶという役目を果たすその日まで、花の奥底で待っているのです。
タンポポの綿毛のように、私も「世の中の風」を上手につかんで花を咲かせたいものです。でもそれは、決して風任せではなく、こうして事前に準備を進めていくことが大切なんだなと、タンポポから学ぶことができました。
育児絵日記ブロガー4人によるコラボ企画。第3話がスタートしました。
かよポンさんのバトンを受けて、3コマ目を私が担当します。ご期待ください!
企画の概要はこちらから。
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