自民党の衆院選圧勝を受けて安倍政権の長期化も視野に入り、株式市場も新たな局面を迎えた。日経平均株価は「2015年中に2万5000円」「2~3年後に3万円」と強気な声も上がっている。

 15日午前の東京株式市場は、米国株の大幅安を受けて日経平均株価が一時300円を超す下落の後、買い戻しも入った。午前の終値は前週末終値比227円17銭安の1万7144円41銭。

 衆院選関連の材料は出尽くしたが、「新たに株を買いたいという個人の問い合わせが殺到している」と語るのは、カブドットコム証券チーフストラテジストの河合達憲氏。河合氏が想定する日経平均の年内のターゲットは、第1次安倍政権当時の2007年2月につけた1万8300円。直近10年の高値水準だ。

 次の上昇相場のきっかけとなる時期が、主要企業が14年10~12月期(第3四半期)決算を公表する来年1月下旬から2月だ。「円安メリットで業績の上方修正が相次げば株式市場にも援護射撃になる。15年3月末のターゲットは2万800円」(河合氏)。森喜朗内閣でITバブルのピークだった2000年4月以来の高値水準だ。

 「ここを抜けると次は15年内に2万5000円を目指す」と河合氏。宮沢喜一内閣が発足した1991年11月の水準にまで戻ることになる。

 アベノミクス相場が事実上スタートした2012年11月、8000円台だった日経平均が「2倍になる」と断言し、的中させたのが武者リサーチ代表の武者陵司氏だ。当時ここまで大胆な予測をした人はほとんどいなかった。その武者氏は「日本は世界で一番輝く市場となる。為替は1ドル=125円前後で安定し、日経平均は15年中に2万4000~2万5000円まで上昇するだろう」と予測する。

 「円安の恩恵で企業業績は改善され、海外から送金される所得収支も大きく増える。原油安で大幅な貿易赤字も減少する。そして企業にたまっていた円安のプラス効果が、賃金の上昇や設備投資に反映されてくるだろう」と武者氏。

 安倍政権のリーダーシップが強まることで「“第3の矢”の成長長戦略の効果も出てくる。デフレの時代が完全に終わり、新しい成長の時代に入る」とし、「日経平均は2、3年後に3万円を目指す」と明言する。

 日経平均が1989年末に3万8915円の史上最高値をつけてから25年。株式市場もかつての活況を取り戻せるか。