芥川賞発表当日も変わらずコンビニバイト 今後は「店長に相談」
第155回芥川龍之介賞(以下、芥川賞)を受賞した村田沙耶香(むらた・さやか)さん(36)が19日、東京都内のホテルで行われた受賞会見に出席。「コンビニ人間」(文學界6月号)で初ノミネートし、そのまま受賞を決めた村田さんは「奇跡のよう」と心境を明かし、「ずっと夢の中にいるようです。まだ信じられない気持ちです」と喜びを語った。
村田さんは、1979年8月14日生まれ、千葉県出身。玉川大学文学部芸術文化コース卒。2003年「授乳」で第46回群像新人文学賞優秀作を受賞してデビュー。08年に出版した「ギンイロノウタ」で第31回野間文芸新人賞、12年刊「しろいろの街の、その骨の体温の」で第26回三島由紀夫賞を受賞している。
「コンビニ人間」は、コンビニ店員として働く30代独身女性を主人公に描いた作品。実際、自身もコンビニでアルバイトをしているという村田さんは「今日も働いてきました。普段通り、忙しい日でした」と語り、勤務後に受賞の連絡を「担当の編集さんといつも通り2人でおしゃべりをしながら待っていました」と舞台裏を明かした。
受賞後は、家族からメールが来たといい、「候補になった時点で、私にはあまり周囲から連絡はなかったのですが、家族にはいっぱい来たみたいです」と笑顔。受賞について「こんな場所に来られるとは思っていなかったのですが、とてもうれしいです。ありがとうございました」と改めて語り、記者からの「今後も続けるのか?」の質問には、「店長に相談したいと思います」と話していた。
直木賞は荻原浩(おぎわら・ひろし)さんの「海の見える理髪店」(集英社)が受賞した。