(綾)少し…お金を貸してもらえないかしら?お願いします。
(常子)綾さんがお金を貸してほしいと。
(君子)あら…。
よほどお困りだと思うんです。
なんとかして少しだけでも工面してあげたいんですが。
あなたが働いて稼いだお金なのよ。
好きに使っていいの。
はい。
ありがとうございます。
・「普段から」・「メイクしない君が」・「薄化粧した朝」・「始まりと終わりの狭間で」・「忘れぬ約束した」・「花束を君に贈ろう」・「愛しい人愛しい人」・「どんな言葉並べても」・「真実にはならないから」・「今日は贈ろう」・「涙色の花束を君に」・「涙色の花束を君に」こんにちは。
(登志子)常子さん。
ご無沙汰してます。
お久しぶり。
あの…綾さんは?ごめんなさいね。
今仕事でいないの。
お仕事ですか…。
太一君大きくなったね。
よかったらこれどうぞ。
お〜。
フフフ…リンゴ。
そんな…悪いわ。
いいんです。
大したものではありませんから。
よかったら。
ありがとう。
(登志子)また穴…。
昔はこんなに穴が大きくなるまで放っておく子じゃなかったのよ。
えっ?綾よ。
いくら貧しくても太一の着るものだけには気を遣う子だったのに。
綾さんはどこにお勤めなんですか?新橋の浪漫とかいう食堂で配膳をしていると聞いてるわ。
食堂…。
回想戦争で負けて変わっちまった。
身なりへの気遣いもない。
自分がどう思われようがどうでもいいみたいじゃないか。
女である事を捨てちまったのかね。
あ〜きっちりしなさいきっちり。
よし。
(ノック)
(鞠子)はい。
(水田)あ…こんにちは。
こんにちは。
あれ?お一人ですか?事務所番なんです。
姉と美子は作家先生に原稿を取りに伺っていて花山さんは…よく分かりません。
花山さんというのは先日の?ああそうです。
あの時はすみませんでした。
戸惑ってしまいうまく話せず…。
(花山)はっきりしゃべりなさい!すみません!
(水田)以前はもう少し堂々と話せていたんですが…。
軍隊で上官にしごかれまして。
情けない話なんですが年上の男性と接するのがどうも…。
そうだったんですか。
それなのに私たちのためにいろいろとありがとうございました。
あっいえ。
そういうつもりで言ったのでは…。
あっ先日何かお話があるって。
ああ…ええ。
あの…。
僕をこちらで雇って頂けませんか?今闇市で働いていますがいずれ閉鎖されるでしょうからほかの仕事を探していたんです。
そしたら皆さんが新しい雑誌を作ると聞いてしかも暮らしを豊かにする雑誌だって…。
少しでもお役に立てれば…くらいですけど。
細かい事は分かりませんがとてもいいなと思えたんです。
今世の中に必要な雑誌だと。
お願いできませんか?浪漫浪漫…。
カフェー。
この時代のカフェは現代とは違い女給の接待を目的とした社交場でした
じゃあな。
またお待ちしてま〜す。
ここな訳ないか…。
今日はありがとうございました。
またのお越しをお待ちしております。
今日は楽しかったよ。
またね。
また来て下さいね。
どうなさったの?ごめんなさい。
お店にお金を届けようと思って。
そう…。
あ…あの…。
心配かけてごめんなさい。
だけど母と太一が生きていくためには働かなくてはいけないの。
あっ。
これ少ないけどよかったら使って。
ありがとう。
必ず返します。
稼げると思ってお店に入ったんだけど思いの外チップも少なくてね。
でもほかに仕事も見つからなくて。
・雅さん!雅さん!はい。
何やってんの。
お客さんがお待ちだよ。
すぐ行きます。
フフフ…。
笑っちゃうでしょ?お店では「雅」なの。
これありがとう。
うん。
すみません。
(花山)我々が雑誌を届けたいのは今ここにいる我々と同じ庶民だ。
戦争で一番ひどい目に遭ったのは庶民なんだ。
(美子)2人ともどうかした?ん?いや何も。
ううん。
あっ目玉企画の事でしょ。
いい加減花山さんから答えを頂かないと4月の出版には間に合わないわ。
そうよね…。
(ドアが閉まる音)おはようございます。
(3人)おはようございます。
あっまた遊んでらっしゃる。
遊んでなどいない。
考えをまとめているんだ。
知恵の輪でですか?明確な答えを導き出せない時にこれをすると思考が整理される。
(3人)え〜。
声を合わせるな。
理解してもらおうとは思わん。
という事は雑誌の企画の答えはまだ見つかっていないという事ですよね?案ずるな。
これがほどける頃にはきっといいアイデアが…。
浮かびました?それより頼んであった画材道具は?
(2人)もう…。
ごめんなさい。
すぐに探しに行ってきます。
おいおいそんな頼まれ事子どもでもできるぞ。
すみません。
ちょっと考え事をしていて。
その場しのぎの言い訳は結構。
あ…本当なんです。
女学生時代の友人が働いていると聞いて行ってみたらそこがカフェーで…。
ほう。
友人って?ひょっとして綾さん?うん…。
今お金に困ってるみたいでちょっと心配になってしまって。
それでどうだった?えっ?格好だよ。
カフェーに行ったんだろ?女給はどんな服を着ていた?いや会いには行きましたけどそんな店内までは…。
友達には会ったんだろ?服は自前か?新品か?私その子の事で頭がいっぱいで服を見る余裕なんてそんな…。
なんて君は愚かなんだ!えっ?分からんのか?君は絶好の機会を無駄にしたんだぞ!機会?君は社長でもあるが編集者だ。
どこにネタが転がっているか分からない。
常に取材する気持ちで生きるべきだ!この雑誌を届けたいのは生活に困りすさんだ暮らしをしている全ての女性たちなんだ。
友達がカフェーにいたのなら取材すべきだろう!すみません。
明日にでも彼女たちに話を聞いてきたまえ!私がですか?できれば花山さんも一緒に…。
私は洋裁学校に取材に行く事になっている。
えっでも私一人では…。
暇な編集者がそこに2人いるだろう。
(2人)えっ?お待たせしてごめんなさいね。
突然ごめんなさいね。
ううん。
少しでもお役に立てるなら。
ありがとう。
さあどうぞ。
失礼致します。
何だい?話って。
2016/07/19(火) 12:45〜13:00
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 とと姉ちゃん(92)「“あなたの暮し”誕生す」[解][字][デ][再]
綾(阿部純子)が常子(高畑充希)のところに金策に来る。常子は金を工面し、綾を訪ねると、カフェで男性客の接待をしていた。常子はカフェに潜入し、取材を始めるが…。
詳細情報
番組内容
綾(阿部純子)が常子(高畑充希)のところに金策に来る。事情を知った常子は金を工面し、後日綾の元を訪ねる。職場にいるからと案内された先は、何とカフェ。綾は苦しい生活を支えるため、派手な衣装を身にまとい男性客に接客していたのだ。花山(唐沢寿明)に綾のことを伝えると、なぜカフェの女性たちに取材しないのかと叱られる。常子は綾に頼み込み、鞠子(相楽樹)と美子(杉咲花)を連れて、カフェの部屋裏に潜入するが…。
出演者
【出演】高畑充希,相楽樹,杉咲花,木村多江,佐藤仁美,阿部純子,伊藤淳史,唐沢寿明,【語り】檀ふみ
原作・脚本
【作】西田征史
音楽
【音楽】遠藤浩二
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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日本語(解説)
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