「男性は胸ばかり見る」説、心理学で否定される
「問題はどういう見せ方をすると、男性に対して効果的に訴求できるか、ですよね。最新の研究によると、よく言われる『男性は胸ばかり見ている…』というのは、じつは正しくないことがわかってきているんですよ」
そう語るのは、心理学者の内藤誼人先生だ。これは次のような実験で明らかにされているという。
「米ネブラスカ大学の心理学者サラ・ガーヴァス氏が、アイトラッキング装置(視線の動きを測定する器具)をつけた被験者の男女に、10パターンの女性の全身写真を見せました。そして、それぞれ女性のどこに目が行くのか、データを採って分析したところ、男女ともに最も長い時間目が行くのは、胸でも腰でもなく『顔』で一致。意外なことに、『胸』に視線を向ける時間は、男性よりも女性の方が長いことが判明したのです。この結果を受けてガーヴァス氏は、男性は一般的に思われているほど胸にばかり関心を寄せているわけではないことが証明された、と論じています」
生身ではなく写真を見せて行われた実験であるため、実際の凹凸や質感が伝わりにくく、性的なアピールにつながらなかった可能性もあるだろう。しかしそれを差し引いても、「女性が夏だからと大胆に胸を開けることは、必ずしも正解ではないことを示しています」と、内藤先生は補足する。
開放的な気分にさせられる夏とはいえ、体のラインをアピールするよりも、メイクの手を抜かないことの方が重要なのかもしれない。
(友清 哲)
(R25編集部)
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