ロシアをリオ五輪で出場停止に 反ドーピング機関が勧告

  • 2016年07月19日
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世界反ドーピング機関(WADA)は18日、ロシアが4年間にわたる政府主導のドーピング違反を行った証拠が見つかったとする調査チームの報告書を受け、来月5日に始まるリオデジャネイロ五輪でロシア人選手の参加を認めないよう、国際オリンピック委員会(IOC)に勧告した。

WADAが調査を依頼した報告書によると、2011年末から2015年夏にかけて開かれたオリンピック関連の競技の「大方で」、ロシア人選手の尿検体が操作されていた。

IOCは19日、リオ五輪でロシアを出場停止にするか決定を下す予定。IOCのトーマス・バッハ会長が電話会議を主催し、「暫定的な措置と制裁」について議論する。

バッハ会長は、「可能な限り最も厳しい制裁」を約束しており、調査結果は「競技とオリンピックの信頼性に対する、衝撃的かつ前例のない攻撃」だと述べている。

カナダ人のリチャード・マクラーレン氏率いる調査チームは、2012年のロンドン五輪に向けた大会や、ロシアのソチで2014年に開催された冬季五輪の30種の競技で、580件のドーピング違反が隠蔽されたことが分かったとしている。

マクラーレン氏は、57日間に渡る調査では、「表面をなぞっただけ」だと述べ、WADAは同氏が組織的ドーピング違反で利益を得た選手を特定し「与えられた任務を果たす」ことを望んでいるとした。

ロシアの陸上選手はすでにリオ五輪の出場停止処分を受けている。国際陸上競技連盟(IAAF)は先月、ロシア陸上競技連盟(ARAF)の国際大会への参加停止の延長を投票で決めた。処分を不服とするロシアはスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴している。CASは21日までに判断を下す予定。

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Image caption 競技別に見たドーピング陽性の検体が消失した件数

ロシアの反応

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、マクラーレン報告書で名前が挙げられた幹部を職務停止にすると述べている。タス通信は、ユーリー・ナゴルヌィフ次官がまず処分を受けると報じた。

マクラーレン報告書は、ナゴルヌィフ次官が「すべてのドーピング陽性結果を把握」しており、どの選手の検査結果を隠蔽するかを決めいていた、としている。

プーチン大統領は、今回の調査が行われるきっかけとなった告発をした、ロシアのドーピング検査機関のグリゴリー・ロドチェンコフ元所長について、「ひどい評判の人物」だと述べている。

関係者の反応

米国の反ドーピング機関のトップ、トラビス・タイガート氏はBBCスポーツに対し、「我々の立場は何カ月も前からはっきりしている。国家ぐるみでオリンピックを腐敗させ、ドーピング違反を行っていたことが報告書で明らかになれば、オリンピックに関わるべきでない」と述べた。

女子マラソン世界記録保持者のポーラ・ラドクリフ選手(英国)はBBCラジオ5に対し、「世界のスポーツに非常に大きなダメージを与えた、制度化されたドーピング、制度化された競技のごまかしと不正の、これほどの度合いに対しては、厳しい処罰がなされるべきだ」と語った。

「残念なことに、不正をしていないロシアの選手も出場停止の目に遭う。しかし、不正の規模や、ロシアで誰が潔白なのか分からないこと、ロシアの状況があまりに悪く、誰を信用していいのか分からないのだから、それくらい厳しくなくてはいけない」

「IOCは、オリンピックで、公正で公平な競争環境で競技を望む潔白な選手の権利を守らなくてはならない」

(英語記事 Russian doping: Olympic chiefs to decide on sanctions after McLaren report

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