秋葉原の街は「仮想空間」になったのか
秋葉原という場所は戦後、ジャンクの部品販売から始まって、日本の技術の発信地になった。海外から最先端の部品や製品を求めて、多くの人が買いに来る街になった。
ところが、いつのころからか、オタクやゲーム、アニメの街になってしまった。それを最新文化を取り込む秋葉原の魅力だという人もいるが、わたしには異常なこととしか思えない。
わたしも精密機器を製作する会社を経営しているので秋葉原にはよく出かける。先日、40歳を超えたと思われる男がスカートをはいた奇妙な格好で歩いているところにいきなり出会った。ゲームかアニメの主人公の姿を模した「コスプレ」というものだろうか。
イベントや冗談でやっているのではなく、堂々と普通に歩いていた。秋葉原の街が「仮想空間」だとでも思っているのだろうか。そこは、多くの人が行き来する大通りである。これが「最新文化」なのか。わたしはあぜんとして見送るばかりだった。
また、喫茶店に入って、アイスコーヒーを注文したら、「コース料金が3800円になります」と言われて驚いた。いわゆる「メイド喫茶」だった。中を見渡すと、若い男がメイド姿の女の子に膝枕で耳かきをしてもらっている。それが3800円コースだという。これが、文化? 単なる風俗産業の一つではないか。
男なら誰しも女性と付き合いたいし、持てたいが、そう簡単にはいかない。口説いて振られたり、無視されたりしながら、相手にどうしたら好かれるか努力するのが人生だ。
それもしないで、3800円払って、恋人気分を味わうとは情けない。
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