P6210043
クライミングで今、一番興味があるのがクラッククライミング!
多くのクラック経験がある訳では無いが、山をやりだした頃から、またクライミングをやりだした時もフェイスより何と無くクラックやチムニー、凹角が好きだった!
狭いところが好きなのかもしれない..........

好きな岩の形状はそんなところで~

何故クラックに興味があるのか!?
というと..........
NP(カム、トライカム、ナッツ、ヘキセン、ビッグプロ、スリング団子etc)を使わないと登って行けないからだ!
まだ、僕の場合経験も浅いので所有してるNPはカム数個とナッツの基本全サイズと簡単に自作出来るスリング団子位だが..........
岩にしっかりと設置されているハンガーボルトやその他頑強な支点等にヌンチャクを掛け自分とつながっているロープをクリップしながら登って行く作業にプラスαで自分で岩の割れ目やポケットを利用してカムやナッツ等のNPを中間支点としてセットしていく必要がある。
その際、岩の割れ目の幅や深さや形状等も考慮して適正なサイズのNPを適正な位置に適正な方法でセットする必要がある。
この面倒臭さが逆に好奇心を煽ってくれるんだなぁ~

もう一つは、僕のGear好き精神かなぁ~


あちこちのクライミング関係のblogやHP等をサーフィンしてると、気になる事が浮上してきた。
気になる事ってのはカムのサイズについてだ..........(~_~;)

カム(カミングデバイス)の適正なレンジ幅を検証してみる事にした!

この表は一般的にカムと言えばキャメロットって位定着してるブラックダイヤモンドのキャメロットC4の各サイズ表だ。
カムを購入する際の参考ポイントはまず表内の【レンジ】
なんだけど…………

このサイズ表のレンジ幅と実際にフィールドで使えるレンジ幅は大きく違う!
という事にどれだけの人が気付き着目しているだろうか!?

まあ、クラックを見た感覚でどのカム(NP)を入れるかを瞬時に判断出来るレベルの人にはあまり関係の無い事かもしれないが..........囧rz

【表①】
キャメロットC4の各種サイズ
C4サイズ

こっちはキャメロットC3とC4の真ん中を埋める役割で登場したスモールカムのX4
僕は0.3と0.4を所有してる!

【表②】
キャメロットX4の各種サイズ
X4サイズ

X4が0.3と0.4の理由としては持ってるC4の一番小さいサイズが0.5なんで、それより小さいサイズを補う為にこのチャートを参考にチョイスした!

【表③】
キャメロット各種サイズチャート
カムチャート

カムには二軸構造の物と一軸構造の物がある。
双方の分かり易い違いとしては~
一軸構造の方がカムの座りが良く二軸構造の方がレンジ幅が広い!
と一長一短あるので二軸構造のキャメロットC4とX4とサイズ的には重なってる部分もあるんだけど、よく使うレンジ幅を一軸構造のメトリウスマスターカムの2~4で追加導入した。
一軸構造のカムで有名なのはエイリアンだけど、調べた結果僕的にはマスターカムの方が良いと思ったのと単純に価格が安いからが理由!
スモール~ミドルレンジのカムは今回のマスターカムやキャメロットのC3やX4、エイリアンやDMM、WC、OP等選択肢が多数あるし、どれを選ぶかによって予算も大きく違ってくるので各々が好みで選ぶ事になると思うが、一般的に良く使うミドルの中間~ワイドレンジにかけてはキャメロットC4の1番~6番でほぼOKだと思う!
OPのリンクカムはセット出来るレンジ幅はずば抜けて広いがウォーキングが非常に多いらしいのでロープの流れが悪い時などは要注意。


【表④】
 メトリウス  マスターカムの各種サイズ
マスターカムサイズ

では、そろそろ本題のサイズを検証してみよう!
例えばキャメロットC4の0.75のレンジ幅は表①中では【23.9〜41.2mm】とある。

多くの人がこの数字を目安に購入すると思う。
単純に2.4cm~4.1cm幅のクラックに使えるんだ!
って思うよねぇ~
多分に漏れず僕も実際のレンジ幅サイズに疑問を持つまではそうだった!

でも、ここでおかしな事に気付くんだなぁ~(~_~;)

ブラックダイヤモンドのキャメロットC4に付属してる取説を見ると..........
キャメロットのセット方法の欄に『全てのカムが50〜90%閉じた状態で岩に接し~』とある。

【表⑤】
ブラックダイヤモンド キャメロットの取扱説明書から抜粋引用転写
キャプチャ

という事なのに..........

カタログ等のサイズ表ではカムの歯が完全に閉じた状態(これを100%とする)から完全に開いた状態(これを0%とする)の範囲を記載してる!
って訳だ。

要はですなぁ~
説明書で使用禁止!
って書いてある範囲(0%~49%と91%~100%の範囲)なのにカタログのレンジ幅として記載されてる訳なんですわ~(+_+)

なので実際に岩場で使用出来るレンジ範囲を計測してみる事にした!
基本的にカムは50%以上歯が開いた状態でセットすると効きが悪くなり外れる可能性が高くなると言うので、50%と80%位歯が閉じた状態でノギスで実測してみた!

写真はC4の0.75
まずは50%歯が開いた状態のレンジ幅は31mm(これより開いてセットするのは好ましくない)
P6210045

続いて80%歯が閉じた状態
(この位から90%まで歯が閉じた状態で全ての歯が岩に噛み合ってる状態がベスト)
のレンジ幅は27.9mm

と言う事は..........
カタログ上のレンジ幅は1.7cm程あるように勘違いするけど実際のレンジ幅は僅か3~4mm程しか無い!
ってのが実情レンジ幅って事なんだよねぇ~(+o+)
まあ80%位閉じた状態の実測なんで余白として100%まで3~4mmは余裕があるんだけど、それでもカタログ上のレンジ幅には程遠いのが現実だ!
P6210044

同じ方法で手持ちのカム全てを実測して表にまとめてみた!
レンジ幅の順番で並べる下記の表⑥の感じ(^_^;)

要は、カタログに記載されてるレンジ幅では実際のクラックでは安全で正確なセットとしては使えない!
って事だなぁ!

説明書で禁止にしてる範囲をレンジ幅に入れないで欲しいもんだ!
今度ロストアローに何故なのか確認してみようかなぁ~

実際は90%~100%の間も使えるみたいだけど下手すると回収不能になってしまったりするので無難なところで80%位の歯の閉じ方のレンジ幅で実測してあるのでもう少しだけ狭いクラックにも入ると思う!
表で言うと、100%と80%の真ん中辺りの数値なら問題は無いと思う!
例えば一番上の、X4 0.3の場合なら100%の12.4mmまで閉じてセットするとトリガーの引きしろが全く無くなるから回収し辛くもなるし効きも悪くなるだろう。
80%の15.2mmとの真ん中辺りの13.8mm位なら90%閉じた位だから適正にセット出来れば、バチ効きだろう!
あとはこの実測は手作業なので正確な数値では無いのであくまで目安としてねぇ(~_~;)
【表⑥】
手持ちのカムの実測レンジ一覧表
実際のカムサイズ

この実測データから見るとブラックダイヤモンドのキャメロットC4 0.75番とメトリウスのマスターカム4番がほぼ同じ位の数値が出てるので双方を写真を元に検証してみよう!

左がC4 0.75番、右がマスターカム4番
P6210046

ステムを含めた全体のサイズもほぼ二アリー
P6210049

但し見る角度を変えると大きく違う事が解る!
P6210048

カムの横からと上から見るとサイズに大きな違いがある事が解る!
セット出来るクラックのレンジ幅は双方同じ位の数値なんだけど、マスターカムの方がクラック自体の幅は同じなんだけど奥が部分的にポケットみたいに広がってて入口が狭いクラックなんかにはセットし易い!
って事だなぁ(^_^)v
P6210047

 これが先にも書いた一軸構造と二軸構造の違い。
P6210050

二軸構造のC4よりも一軸構造のマスターカムの方がカムローブ(写真赤線の範囲)というサイズが短い。
 P6210051

なので構造の違いで0%まで歯を完全に開いた状態では二軸構造のC4の方がレンジは大きく
(C4 0.75番の41.2mmに対してマスターカム4番は33.5mm)
なるんだけど、上の表からも解るように0%歯が開いた状態では基本使わないので比較にはならない事になる。
但し、キャメロットの場合はイラスト3にあるように完全に開き切った状態でもナッツのようにボトミングセットが可能な番手もある!

カタログでのレンジ幅を参考にすると重なってるように見えるんだけど実測してみると..........
以外とスモールサイズでも重なっていないレンジが多く、特に大きいサイズのカムは大きくレンジも飛んでるのがよくわかるだろう!

まあ実際は手持ちのカムをなんとかセット出来る幅のクラックを探してセットするので全てが綺麗に重なってなくても良いんだけど、あんまり歯抜けで持つよりは順番通りの方が取出しもし易いように僕は思う!


で、次はナッツをラッキングするのに最適なビナはどれ!?
って模索してる中で今のところ一番最適だと僕が思うのがペツルのアンジュSサイズ!
僕は、小さいサイズ(1、2番は使わないので3~8番)と大き目のサイズ(9~13番)を2つに分けてる(^_^)v
P6210052

1、2番を使わないのはダイレクトエイド専用
(体重を支える程度で墜落には耐える支点にはならない)
という事でランニングビレイの支点としては強度的にあまりにも怖いからだ!

【表⑦】
ナッツのスペック表
ナッツサイズ

こんな状態でギアループにぶら下げてる訳なんだけど..........
で..........
登ってる途中にナッツでランニングビレイを取る時は、セットしようとする割れ目を見た感じで大か小かを感覚で判断してどちらかをビナごとギアループから全部手に取る!
P6210053

で、どの番手にするか決めて写真の状態のまま割れ目にセットする。
大概は片手は岩をホールドしてると思うので適当なナッツを一旦咥えてから手に持ち替える事が多いだろう!
この時セットしない他のナッツはビナの内側でくるっと回って下側に移動するので、この時にビナの形状によって引っ掛かったりしてしまうのだ!
P6210054

で、そのままの状態でナッツを割れ目にセット!
まあこれがセットした後とイメージして..........
この状態で他の番手のナッツがぶら下がったままビナごと掴んでガンガン引張ってテスティングしてみてちゃんと支点としてセット出来てるか確認してからビナを外しヌンチャクを掛けてロープをクリップするんだけど(^_^.)
P6210055

この時に..........
ナッツをラッキングするだけだから!
って安価なビナ(写真のBDオーバルワイヤーは972円)を使ってると..........
先に書いた他のナッツがくるっと回って下側に移動する時とナッツをセットした後ビナを抜く時に引っ掛かるんだよねぇ~
ナッツのループは太いスリングじゃなく細いワイヤーだから尚更よく引っ掛かる(-_-)
P6210058

僕の場合は、ほぼ毎回引っ掛かってた(-_-)
P6210059

でもキーロックシステムのビナを使うと引掛りが無くスムーズに作業が出来るのでメンタル的にも焦る事も無い!
いくつかキーロックシステムのビナで試してみたけどノーズの張り出しが小さいアンジュのゲート形状が一番スムーズだったので、ちょっと贅沢だけど2つともアンジュにしたって訳!
まあ贅沢と言ってもアンジュSサイズで2,116円なんで、BDのオーバルワイヤーの倍程するけど使い勝手が格段に良くなるし重量も45gから28gへとかなり軽くもなるし僕としてはプチ贅沢位かなぁ~(~_~;)
グレーとオレンジでカラーを分けてるのは最初に大きい方か小さい方かを大別する時、すぐ見分けられるようにね(^_-)
P6210056

全く引っ掛かる事なく次の作業に移れる事は少なくても地上数m上の岩にへばり付いてる状態では凄く大事な要素だと思う(^_-)
あとは、引っ掛かった拍子に落としてしまったと言う事例もあるようだ(+o+)
P6210057

BDのオーバルワイヤーはミニハンマーとナッツツール等、もし取外す時に引っ掛かっても焦る事のないような物をラッキングするのに流用する事にした!
P6210060

まあ、興味ある人にはちょっと位は参考になるかなぁ~(^_-)