読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

悪の秘密結社のアフター5

悪の組織でリーマンしながら悪の秘密結社パーフェクションで幹部として活動もするおっさんのブログです。

顔が怖いと仕事に支障が出る

黒の組織

顔の怖い鬼ころし君。

 
ある時、我々は他の組織との打ち合わせでホテルで会議室を借りました。
 
ちょっと早い時間に鬼ころし君と到着。
ホテルの喫茶店で時間まで休憩することにしました。
 
「先輩。自分、お手洗いに行っても…」
 
いいよ。ここで待ってるから。
 
鬼ころし君がトイレに行くと席を離れ、私はコーヒーをおかわりします。
 
 
平日なのにヤケに人が多いな。
 
サラリーマン風、年配の方々。
 
平日にもかかわらず喫茶店は大盛況です。
 
今日何かイベントでもあるのかな?
展示会とかかな?
 
 
・・・
 
遅い…。どこまでトイレに行ってるんだ。
 
私は鬼ころし君の残した伝票を合わせて支払い、喫茶店を後にしました。
 
 
少し歩くと人だかりができています。
 
…イヤな予感。
 
 
違う!勘違いだ!
そうじゃない!
 
鬼ころし君の叫び声が聞こえて来ます。
 
人だかりに割って入ると…。
 
トイレに行かせてください!
限界なんです!
 
ホテルのボーイとスーツの数人、警備員数人に拘束されている鬼ころし君。
 
何があった…。
 
「先輩!助けてください!この人達我々を総会屋と勘違いしてるんです!」
 
すみません。彼の知り合いなんですがどうかしましたか?
 
何でも今日はとある企業の株主総会があるらしくトイレの近くに貴賓室。
そこに向かう鬼ころし君。
慌てて止めに入られたそうです。
 
「ただトイレに行きたいだけなんです!」
鬼ころし君の悲痛な叫びです。
 
我々は総会屋ではありませんよ。
ここの会議室に打ち合わせで来ただけなんです。
 
「そうです!我々は総会屋なんかじゃない!悪の組織だ!」
 
 
「!!!」
 
このバカ野郎。それをここで言っちゃうかな。
 
 
せっかくまとまりかけた話を自ら散らかしやがりました。
 
 
「悪の組織め。」
 
警備員数人が
 
ジャキッ!
 
警棒を構えます。

警備員・セキュリティスタッフになるには (なるにはBOOKS)

 
我々は嫌われ者ですからね。
普通の反応です。
 
しかしたかが一般人の警備員。
戦闘力5万の私が…
 
 
ジョオオオォォォォ
 
 
「先輩…間に合いませんでした…」
 
 
 
 
ジョオオオォォォォ
 
…けっこうな量だな!オイ!
 
 
足元まで迫る水たまりを避け、私も警備員側まで避難し、鬼ころし君を取り囲みます。
 
辺りは静寂に包まれ
 
鬼ころし君のむせび泣く声だけが響きます。
 
 
…私が胸ポケットに手を入れタバコを取り出そうとすると警備員がいっせいにこちらを警戒します。
 
私はそれを手で制し、火をつけたタバコを咥えながらアポイントメント先へ延期のお願いをします。
 
 
嗚咽を漏らす鬼ころし君。
 
 
すまんな。こんな時、どんな顔してなんて声かけたらいいのか。
さすがのおっさんもわかんねーよ。
 
「笑ったらいいじゃないですかァァァ!」
 
 
サイレンの音が聞こえてきました。
 
・・・
 
打ち合わせに踏み込まれたとかなら面目も立つんだけど自分から悪の組織を名乗って捕まるなんて… 
 
あのクソ刑事!
カツ丼出せっていったのにカルボナーラしかないなんて私にだって人権があるんだぞ!
 
え?捕まったのかって?
捕まりましたよ。
悪の組織ですから。
 
カルボナーラ食べてから脱走しましたけど。 
 
子供をお風呂に入れる時間までに帰らないと怒られるので。
 
あ、もちろん鬼ころし君も拾って。
服は置いてきたけど。
 
・・・
 
後日、お得意様に失礼をしたとホテル側から謝罪の手紙が来ました。
 
当ホテルの対応が行き届かず申し訳ありませんでした。
今後も世界征服の為に当ホテルをご利用ください。
 
トラブルの中でも冷静なよい部下をお持ちですね。と書いてありました。
 
 
 
 
だから部下じゃねーし!
 
 
 
広告を非表示にする