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窒素氷の力で魚ピチピチ 加茂水産高が研究、地元漁師と協力して実験

2016年07月19日 10:32
窒素氷の出来栄えを確認する佐藤諒さん。普及に向けた研究が進められている=鶴岡市・加茂水産高
窒素氷の出来栄えを確認する佐藤諒さん。普及に向けた研究が進められている=鶴岡市・加茂水産高
 窒素氷による漁業活性化を目指して―。鶴岡市の加茂水産高(佐藤淳校長、115人)が魚の鮮度を保つと言われている窒素氷の活用に向け、研究に取り組んでいる。文部科学省からスーパー・プロフェッショナル・ハイスクール(SPH)の指定を受け、今年2月に学校では世界初となる窒素氷製造装置を導入。本年度は地元漁師らと協力し、より実践的な実験に挑戦する。

 窒素氷は魚介類を保冷する際、酸素を含む普通の氷に比べ、酸化を抑えるとされている。変色を防ぎ、鮮度が保持できるとして、国際的にも研究や活用が進んでいる。

 庄内浜では130種類もの魚介類が水揚げされるが、それぞれの漁獲量は少なく、多くは地元での消費にとどまっている。同校は窒素氷で鮮度を落とさず全国各地へ出荷できれば、魚の価値を高められると考え、昨年度から研究を開始。本年度は海洋技術科の3年生3人が担当している。

 導入した製造装置は、空気中から取り入れた窒素を使い、水道水から酸素を押し出して凍らせる。1日で縦30センチ、横55センチ、高さ12センチの発泡スチロール箱20~100個分(魚種により異なる)に当たる356キロの氷を作ることができる。

 本年度は県外へ研修に行く一方、製造装置をフル活用し、漁に行く船へ窒素水と窒素氷を提供。現場と意見交換しながら効果的な使い方を模索する。また鶴岡南高と連携し、より精密な鮮度測定を行う。

 研究を担当する板垣寿勇教諭(52)は「(ブランド魚として注目を集める)庄内おばこサワラのような魚が増えれば、地元の漁業は元気になる」と話す。3年佐藤諒さん(17)は「先輩が行ってきた研究をしっかりとつなぎ、窒素氷を広めたい」と力強く語った。

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