【レポート】

ソフトバンク孫社長がARM買収で語った半導体にかける夢

1 創業以来、もっともエキサイティングな日

 
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ソフトバンクグループの代表取締役社長である孫正義氏は7月18日、ロンドンで会見を開き、同日付で発表したARM買収に関する説明を行い、将来的にARMがグループの中核事業となるという展望を語った。

冒頭同氏は、「今回の買収の件は私が10年来考えてきた案件であり、いよいよその時がやってきた。ソフトバンクの創業以来、今日がもっともエキサイティングな日であると思っている」と、半導体分野への進出が長年の夢であったことを語ったほか、「その分野で世界一、これからの人類の歴史の中で、もっとも重要な産業となるであろう分野に戦略的な一手を打てた」と、今後の産業発展に半導体が重要であることを強調。半導体そのものも40年ほど前の1976年、ソフトバンク創業前の19歳の時、科学雑誌に載っていた半導体の回路図を見たとき、「両手両足の指がジーンと震えて、涙が止まらなくなった。感動する映画や音楽と聴いたときのような感覚がやってきた。なぜかというと、これはついに人類が自らの手で、人類の頭脳を超えるであろうものを生み出した。これが将来、もっと進化したときに、人類の未来に与える影響はいかばかりのものであろうかと。怖さと感激と興奮により、一瞬で涙が止まらなくなった」と初めて知った時を邂逅する。

孫氏がソフトバンクの原点と語る体験は半導体の回路を見たときであったという。スライドで使われたのは、Intelの8080の回路図面 (以下、スライドの出典はいずれもソフトバンク発表資料)

買収内容はすでに発表された通りであるが、買収に係る費用である約3.3兆円(約240億ポンド)は、基本的に手元と調達した資金による現金で、自社株式を用いた調達は一切行わない。また、取引条件としては1株当たり1700ペンスとなるが、ARM取締役会も全会一致でこれを指示し、株主へ推奨するとしている。

この買収スケジュールだが、買収にかかる書面の公表が今後数週間以内に実施され、その後の数週間で裁判所および株主の承認、ならびに各種の認可・承認申請がなされた後に完了となる予定で、孫氏によれば、「全体のプロセスは数カ月程度。半年や1年はかからない」という。

ソフトバンクによるARM買収の概要

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目次
(1) 創業以来、もっともエキサイティングな日
(2) 半導体が支えるIoTへのパラダイムシフト
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