ポルトガル発祥の地ここにあり。ギマランイス歴史地区
wondertripでは世界の絶景を紹介していますが、歴史地区や古代都市などの絶景スポットは、その歴史を少しでも知ることでより観光が楽しめます。今にも残る世界遺産のストーリーは、知識欲も刺激されますね。本日はポルトガル「ギマランイス歴史地区」をご紹介します。
ポルトガル発祥の地
ポルトガル北西部にあるギマランイスは、大都市ポルトから列車で1時間弱の所にあります。ギマランイスという名は、この地にポルカトゥーレ伯領を築いたヴィマラ・ペレス伯の名前ヴィマラニスに由来します。
また、ポルトガル初代国王アフォンソ1世が生まれた地として知られ、旧市街の広場の壁に「ポルトガルここに誕生す」と書かれています。
また、ポルトガル初代国王アフォンソ1世が生まれた地として知られ、旧市街の広場の壁に「ポルトガルここに誕生す」と書かれています。
ギマランイスはアフォンソ1世の生誕後、多くの大規模な建造物が建てられ、やがて重要な都市となっていきました。その一方で、中世の街並みが残された旧市街は世界遺産に登録されたのです。城や教会はもちろん、市民の住宅までもが残っている様子は、とても風情ある光景です。
ポルトガル王国初代国王・アフォンソ1世
1109年、アフォンソ1世はギマランイス城で生まれました。有能な王だった彼は、1128年には宗主国から独立を果たし、イスラム勢力を打ち負かしてポルトガル王を称するようになります。
そしてそれが承認されて正式に独立を果たし、ポルトガル王国ブルゴーニュ王朝を打ち立てました。
そしてそれが承認されて正式に独立を果たし、ポルトガル王国ブルゴーニュ王朝を打ち立てました。
その後も彼の快進撃は続きます。リスボンを支配していたイスラム勢力との戦いに勝利し、ポルトガル王国の版図をどんどん広げていきました。宗主国カスティーリャ=レオン王国は後のスペイン王国の中核となったほどの勢力でしたが、そこから独立を果たしたことは大いなる偉業だったのです。そして、このブルゴーニュ王朝は14世紀末まで続きました。
ギマランイスの旧市街
旧市街には多くの歴史的建造物がありますが、一際目を引くギマランイス城は、アフォンソ1世が生まれた城です。959年、ヴァイキングから街を守るために造られた重厚なロマネスク様式の城は、城壁と高さ28mの中央の塔をはじめ7つの塔が残されています。城の麓に建つサン・ミゲル教会は、アフォンソ1世が洗礼を受けた場所でした。
街中にあるブラガンサ公爵館は、大航海時代の君主ジョアン1世の庶子ドン・アフォンソが建てた住まいです。館というよりも宮殿といった規模で、現在は政府公館として、かつ貴族の衣装などを展示した博物館として使用されています。
中世の住まいが立ち並ぶ石畳の小道は、散策にもぴったりです。
中世の住まいが立ち並ぶ石畳の小道は、散策にもぴったりです。
オリーブの木が出迎える教会
12世紀に建てられたノッサ・セニョーラ・ダ・オリヴェイラ教会は、重々しいロマネスク様式と繊細なゴシック様式が混じっっています。拡張が度々行われており、16世紀に現在の姿となりました。
教会の名前は、ポルトガル語で「オリーブの木の聖母教会」という意味を持っています。これは、対イスラム王朝との戦いの戦勝記念として1342年に教会前にアーチを建設したのですが、その完成と同時にオリーブが芽吹いたことから名づけられたそうです。
教会の名前は、ポルトガル語で「オリーブの木の聖母教会」という意味を持っています。これは、対イスラム王朝との戦いの戦勝記念として1342年に教会前にアーチを建設したのですが、その完成と同時にオリーブが芽吹いたことから名づけられたそうです。
教会の修道院部分を改装したアルベルト・サンパイオ美術館には、ギマランイスの教会や修道院が所有していた美術品が展示されています。聖職者や王の衣服など興味深い収蔵品もあります。
ギマランイスに来たら泊まりたいポザーダ
ギマランイスにはポザーダというホテルがあります。かつては国営でしが、今はホテルチェーンとなっています。
修道院や城、貴族の館を改装したもので、歴史的な建築物に泊まるという貴重な体験ができますよ。ちなみに、スペインにも同様の国営ホテル・パラドールがあります。
修道院や城、貴族の館を改装したもので、歴史的な建築物に泊まるという貴重な体験ができますよ。ちなみに、スペインにも同様の国営ホテル・パラドールがあります。
ギマランイスにあるポザーダ・デ・サンタ・マリーニャは、12世紀の修道院を改修したものです。ポルトガル独特の青いタイル「アズレージョ」が至るところに見られ、長い回廊や修道院ならではの静かな中庭など、歩いてみるだけで自分がまるでその時代の人になったような気分を味わえます。
高級ホテルですが、それだけの価値がある素晴らしい滞在になるはずです。
高級ホテルですが、それだけの価値がある素晴らしい滞在になるはずです。
壮大な歴史を感じて旅をしよう
いかがでしたか。ただ息を呑む絶景に心焦がすだけではなく、その背景にある歴史を簡単にでも理解することで、世界遺産巡りはより楽しくなります。「★」への渡航をぜひご検討ください。
photo by iStock