現代版「義和団事件」勃発か!?
「米国、日本、韓国、フィリピン製品をボイコットせよ!」
「我が中華民族を愛そう!」
「あなたがいま食べているのは米国のケンタッキーで、失っているのは祖先のメンツだ!」
7月17日の日曜日、中国河北省唐山市楽亭県金融大街にある「夏日購場」というデパートの前に、数百人の市民が結集。このデパートの1階にあるケンタッキー・フライドチキンの大型店舗前で、シュプレヒコールを上げた。
同日、中国各地のケンタッキー、マクドナルド、スタバなどでも、小規模なボイコット運動が起こった。すべては、7月12日にオランダのハーグにある常設仲裁裁判所が、南シナ海に関する中国の主張に「NO」を突きつけたことへの反発である。
「これは現代版の義和団事件になるかもしれない」
ある中国人の知識人は、こう危惧した。義和団事件は、日清戦争敗戦後の1900年に中国で起こった大規模な外国人排斥運動である。日本を含む8ヵ国軍が鎮圧し、清朝滅亡につながった。
今回も、中国政府が何より危惧するのは、外国排斥運動の矛先が共産党政権に向くことである。常設仲裁裁判所の判決が出る前日の11日、北京市共産党教育委員会は、北京市の各大学幹部を招集し、共産党中央委員会の指示を与えた。
「南シナ海の闘争においては、大学生に理性的、合法的かつ秩序だった抗議を求める。大規模なデモや過激な行動は禁じる。そして大学教員と学生たちには思想の統一を求める。
各大学にはとりあえず、本日7月11日から13日まで、『戦時治安体制』と『毎日報告制度』を適用する。大学教員と学生に対する『思想工作』と『引導工作』を徹底するのだ。同時に、各大学の校門と学生寮の管理を厳重にし、校内の秩序維持に努めるのだ」
-
ついに中国は戦争への道を歩み始めたのではないか、という「強い懸念」(2016.07.15)
-
南シナ海であらわになる中国外交の「本性」〜国際法など知ったことか!(2016.07.12)
-
人民解放軍が「尖閣諸島海域」を急襲!東・南シナ海を巡る「日米vs中」の攻防は新局面に突入した(2016.06.14)
-
ドイツと中国の"蜜月"に走り始めた亀裂〜メルケル首相が見せた冷徹な手のひら返し(2016.06.24)
-
アメリカ社会がハマった「分断」の袋小路〜噴出する「反知性主義」(2016.07.15)
- 人民解放軍はもはや「一戦」を惜しまない!「南シナ海判決」を前に習近平が準備作戦命令 (2016.07.19)
- 南シナ海であらわになる中国外交の「本性」〜国際法など知ったことか!(2016.07.12)
- 中国を「真っ赤」に染めた1時間18分の大演説~習近平が唱える「中国の夢」はどこへ向かうのか?(2016.07.05)
- 気を付けろ!習近平が英国EU離脱を「歴史的好機」とほくそ笑んでいる~どうやら、中国には5つのメリットがあるらしい(2016.06.28)
- 『人民日報』がまさかのトップ批判! 激化する「習近平vs李克強」路線闘争、その舞台ウラを読み解く(2016.06.21)
- 人民解放軍が「尖閣諸島海域」を急襲!東・南シナ海を巡る「日米vs中」の攻防は新局面に突入した(2016.06.14)