エルドアンが「反米」だからといって持ち上げるのはいかがなものか?
トルコのエルドアン大統領は、最近、「反米色」を強めています。
だからといって、アメリカ帝国主義に批判的な人たちが、即、エルドアンを持ち上げるのはいかがなものでしょうか?
アメリカ以上に「筋が悪いゴロツキ」だって世の中にはごまんといるのではないか?その当たり前のことを忘れてはいけない。
エルドアンはその代表例でしょう。失礼ながら、イスラム過激派出身・エルドアンが、ギュレンというイスラム系市民運動のバックアップと、ダウトオールという「トルコの諸葛亮」と表現しても過言ではない外交・政治の天才の補佐を得て、2003年以降、13年間の長期政権を維持してきたのです。
しかし、最近では、マスコミ弾圧しまくり。原発を地元の反対を押し切ってつくろうとする。日本からも買おうとする。
他方で、イスラエルともエジプトとも、イランともイラクともシリアとも、サウジともロシアとも、そしてアメリカともぎくしゃくすると言う戦時中の大日本帝国状態になっています。
イスラエルはガザ虐殺、サウジは専制王制、ロシアは独裁的な体制とそれぞれ問題はあります。しかし、どの国ともぎくしゃくさせるとは、ちょっと天才的な「外交力」です。ダウトオールもエルドアンを見限っています。
ギュレンとも2013年末以降は決別しています。
そうした中で起きたのが今回のクーデター(未遂)です。
アメリカの陰謀だ!とトルコの閣僚が叫び、また、日本の一部左翼がこれに同調していますがいかがなものでしょうか?
エルドアンこそ、安倍総理が唯一のお友達と言っていい状態です。
あまり「反米」の勢い余って、エルドアンの危険性に目をつぶれば、それはトルコへの原発輸出、万が一の日本へのリスク発生も含め、日本国内にも大きな悪影響を及ぼしかねません。クルド人弾圧などもしているエルドアンを日本が持ち上げることは、テロを招くことにもなりかねません。
原発輸出反対、言論弾圧反対のスタンスから、米欧など他の先進国政府と似た「クーデターを利用して独裁を強めることは許されない」という見解ををわたしはとります。米欧が正しいとはもうしませんが、しかし、米欧よりも筋が悪いチンピラもいるということ、そういうゴロツキを増長させれば核災害のリスクも高まるということを確認したいのです。