どうも!今回は1冊の絵本を紹介します。
〝世界一受けたい授業”でも紹介され、一躍有名となった絵本作家ヨシタケ シンスケ氏のベストセラー作品。
『このあと どうしちゃおう』
です。
札幌駅の紀伊国屋書店を訪れたときに、この本と出会いました。
何気なく目にとまり、手に取ったのですが、読めば読むほど楽しくて自然と笑みが。
読んですぐに傑作だと確信しましたよ!
■あらすじ
少年は、亡くなったおじいちゃんの部屋から1冊のノートを見つけます。
そこには「このあと どうしちゃおう」という題名が。
そこには「自分が死んだあとどうしようか」 「天国には何があるのだろうか」
そんな内容が記されていたのです。
それを読んだ少年は、おじいちゃんのことや死について考えます。
感想~大人も子供も楽しめる良作~
絵がとても柔らかいし、非常にテンポよく読めました。
死ぬまでにやりたいことってテーマは今までにもありましたが、この絵本は死んだ後を考えます。
そのひとつひとつの発想が、なんとも可愛くてほっこりさせられるのです。
画像を見てもらえるとわかると思いますが、子供でも理解できる天国像。
とにかくお刺身がおいしい!なんて、とっても好き(笑)
その横には地味に泣ける、死別したおばあちゃんと再会できるとも書いてある。
このあたりのバランスも絶妙なのです。
逆に地獄の想像図も非常にコミカル。
こんな風に可愛い絵で描かれていますが、大人にもお勧めで、考えさせられる内容になっています。
このあとどうしちゃおう
…どうしようではなく、どうしちゃおう。
…どうしようではなく、どうしちゃおう。
この表現に〝死”を前向きに楽しもうというおじいちゃんの姿勢が感じ取れました。
誰しもが必ず直面する死。
こんな受け入れ方もあるんだと、目から鱗です。
ノートを読み終えた少年は、自分も「このあとどうしちゃおう」ノートを作ろうと考えます。
しかし少年は「死んだらどうしよう」→「生きてる内に何しよう」という風に考え、したいことがたくさんあることに気づきます。
そこから、今在る生を見つめなおすことができたのです。
作中で少年は、おじいちゃんは、本当は死に対して不安や恐怖を抱いており、このノートはその裏返しなのでは?と考えます。
正直、この絵本は大人向けでしょう。
この少年の発想なんて、子供なら、小学生くらいにならないとピンとこないかもしれません。
ただ私個人としては、自分のために書いたノートというよりも”残された孫のため”のノートだったのではないかと考えています。
おじいちゃんが死んでしまったことで、死に対する漠然とした恐怖を抱くのではなく、
死んだあともおじいちゃんは元気にやってるよ。
色々な姿で見守ってくれているよ。
と、考えて欲しかったのかな?って思います。
絵本なのに、けっこう深い。
そして作者の豊かな発想には脱帽。
おすすめです!
スポンサーリンク