【芥川賞の傾向と対策】最年少受賞も夢じゃない!?

 

■芥川賞の最年少受賞記録は19歳

芥川賞は、毎年2回、1月と7月に発表されます。第1回は1935年上半期(7月)。それから80年以上の歴史の中で、160人(受賞辞退者含む)の芥川賞作家が誕生しました。そのうち、最年少受賞者は第130回(2004年1月)に受賞した綿矢りささん。当時19歳で、大学1年生でした。受賞作の『蹴りたい背中』は、120万部超えのミリオンセラーとなったのです。

■年齢制限なし! だったら応募できる?

芥川賞を贈呈する日本文学振興会は、芥川賞の条件を次のように定めています。
・無名もしくは新進作家が対象
・新聞か雑誌(同人雑誌を含む)に発表された純文学短編作品中、最も優秀なもの
条件は、たったこれだけ。つまり、年齢、学歴、職業、資格などによらず、新人なら誰にでもチャンスがあるのです。ただし、よくある「○○新人賞」のように、自分から作品を応募するシステムではありません。世に出た作品のなかから、選考委員会がある意味「勝手に」選んで贈呈するのです。

まずは、純文学作品を書いて発表しましょう。ただし、ネット公開ではダメ。新聞か雑誌に掲載されることが、芥川賞受賞への第一歩となります。

■純文学って? 芥川賞の傾向をチェック!

純文学とは、芸術のために書かれた作品のこと。人間の心理や美意識などを追求した作品ともいえるでしょう。芥川賞の歴代受賞作家には、安部公房、遠藤周作、大江健三郎といった国語の教科書でもおなじみの作家が名を連ねています。

■芥川賞と直木賞の違い

ちなみに、芥川賞と同時に発表される直木賞には、大きな違いが2点あります。まず、両賞の対象ジャンルです。芥川賞は「純文学」、直木賞はエンタメ要素の強い「大衆文芸」を対象として選考が行われます。2点目は、対象者です。芥川賞は無名、もしくは新進作家であることに対して、直木賞は無名、新進、中堅作家となっており、直木賞のほうが応募の幅が広く設定されています。一見すると、「純文学の芥川賞のほうが難しそう」と思うかもしれません。ですが、エンタメ作品に比べてジャンルが限定されている分、対策しやすいともいえます。

■芥川賞受賞を目指して

芥川賞を受賞したいと考えるならば、まずはとにかく1作、書き上げなくてはいけません。そして他人から講評を貰う。そうして自分の文章をブラッシュアップしていくことで、より良い作品が書けるようになっていきます。芥川賞の候補にあげてもらうには、雑誌「文学界」の新人賞に応募して、受賞した作品が芥川賞にのぼる例があり、それが最も早く芥川賞を受賞できる方法の一つです。その他の純文学系の文芸誌に寄稿することも芥川賞に取り上げられるきっかけとなります。
芥川賞受賞を目指して、文学の世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。


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