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「とき」を彩る。

人生の「とき」を彩る何かを綴るブログです。

「タイル好き」と「便器好き」は行くべきミュージアム

アート 中東・アフリカ 海外あれこれ

「タイル好き」「便器好き」というカテゴリーの人が、どの位いるかは別として、

やきものの街 愛知県常滑市に行けばあなたも「タイル好き」「便器好き」になるかもしれない、こんなミュージアムがある。

 

INAXライブミュージアムとは

*世界のタイル博物館(紀元前から近代までの世界のタイル約1000点展示)

*窯のある広場・資料館(明治中頃以降に作られた染付古便器が並ぶ)

*建築陶器のはじまり館(建築の外壁を飾るテラコッタの展示)

*土・どろんこ館(やきものの原料である土を体感できる・ワークショップも)

 現在2016年8月31日までは、光るどろだんごで「小さな地球」が作れる。

*陶楽工房(タイルの絵付けや、モザイクアートが体験できる工房)

*ものづくり工房(”ものづくり”の技術や伝統を紹介する)

以上の6つの施設が集まった、やきものを体感するミュージアムだ。

大人は美術館的感覚でアートを、子供はモザイクタイルやどろだんご作りなどの体験も楽しめるので、親子で行くにもいいだろう。

 

世界のタイル博物館

まず驚くのが、タイルの歴史である。

うわぐすりを塗った建築装飾用のタイルのはじまりは、古代エジプトにまで遡る。サッカラという町にあるジョセル王の階段ピラミッド。これは、もっとも有名なギザの三大ピラミッドよりもっと昔に造られた、最古のピラミッドだ。その階段ピラミッドから見つかったファイアンス・タイルはBC2650年頃のものとされる。こんな時代から、人間はタイルに魅了されてきたのだ。

 

再現された装飾空間

エジプトの施釉タイル以前にも、やきもので装飾された壁があった。BC3500年頃のメソポタミアだ。

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                   写真:INAXライブミュージアム http://www1.lixil.co.jp/ilm/

 

上の絵のような、円錐形のやきもの(クレイペグ)を何万本もつくり土壁の表面に並べ、幾何学模様をつくりだしたのだ。隣の写真は再現された空間である。

このクレイペグをひとつひとつ手作りして、再現空間を作ったそうだ。すばらしい!

 

メソポタミア以外にも、エジプトの階段ピラミッド地下空間、イスラムモスクのようなドーム天井、17-18世紀オランダ、1830年~1903年のイギリス、花の描かれた現代日本などが再現された空間を楽しむことができる。イスラムのドームでは、光で変化するタイルの美しさに誰もが立ちすくんでしまうことだろう。

 

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*再現された、エジプト階段ピラミッドの地下空間一部

 

展示されたタイルたち

 

*オリエントでは、エジプト、ギリシャ、シリア、イラン、イラクなど紀元前の貴重なものの数々が見られる。

 

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*イスラムタイルは、イラン、トルコ、シリアなどの植物や鳥、人物、アラビア文字が描かれたものから、星型のタイルまで多彩だ。その、技法もさまざまで何となく墨絵のように見えるものや、浮彫にしたもの、玉虫色に光る加工がされたものまである。

 

*スペインタイルでは、イスラム的デザイン、ゴシック文様、色鮮やかなスパニッシュ・マジョリカ、グラナダの緑釉など、時代や地域によって全然違うデザインが面白い。

 

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*オランダのは実に可愛い。白地に青の単色系のタイルは、中国の染付からの影響があるようだが、1枚のタイル中央に描かれた子供や動物は「ゆるキャラ系」だ。

タイル四隅のコーナーモチーフはイスラム風だったり、東洋風だったり、フランスのゆりの紋章などの種類が見られる。

 

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*イギリスの単色レリーフタイルは印象的だった。凹凸で濃淡をだし、立体感がある。他にはアールヌーボー様式も美しい。又、産業革命以降は機械により量産されるようになるが、その反動によるアーツ・アンド・クラフツ運動で手書きの絵付けされたタイルの逸品も残っている。

 

*中国タイル、古くは漢の時代のものから清までいくつもの時代のものが見られる。

 

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*日本では、江戸や明治時代のものだ。

 

タイル一枚一枚が芸術品、見応えがあるので、じっくりと観たい。

 

 

窯のある広場・資料館 

 

ここにある、「便器」には心弾んだ。明治時代に作られた青と白の粋な染付古便器たちが並んでいる。本当に素晴らしい。

こんな便器が現在もあるのなら、お店や観光地もトイレだけでお客が呼べるのではないかとすら思う。

牡丹やあさがお、菊などの絵柄も素敵だ。

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 こんな素敵な便器では、出るものも出なくなってしまうだろうか・・

 

建築陶器のはじまり館

 

大正から昭和初期、建築の外壁を飾ったテラコッタ。

テラコッタパークには、実際にあった建物の一部が屋外スペースに展示されている。シンプルでモダンな建物より、装飾ゴテゴテ系が好きな私にはこういうのはとても楽しい。

 

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屋内資料館には、常滑で焼かれたテラコッタで装飾された、帝国ホテル旧本館が紹介されている。これは、建築家フランク・ロイド・ライトの代表作だ。

ちなみに、この帝国ホテル中央玄関は、同じく愛知県の犬山市にある博物館明治村で見ることができる。

 

土どろんこ館、陶楽工房、ものづくり工房については、こちらでどうぞ。

www1.lixil.co.jp

 

最後に

美術館などを観たあとは、ミュージアムショップへ寄るのも楽しみのひとつである。

私はだいたい最後に、その日気に入った作品のポストカードを購入する。

その時、選んだものがコレ。

 

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美しきデザインの品々を差し置いて、「ゆるキャラ系」のオランダタイルに軍配があがった。