北京=倉重奈苗
2016年7月16日16時56分
鳩山由紀夫元首相は16日、中国が設立を主導したアジアインフラ投資銀行(AIIB)の顧問にあたる「国際諮問委員会」の委員への就任要請を受諾する考えを明らかにした。訪問先の北京で記者団に明らかにした。
鳩山氏によると、AIIB側が4日付で、鳩山氏側に電子メールで正式な就任依頼を出したという。鳩山氏は「アジアのインフラ整備に日本の技術力は重要だ。何らかのお手伝いができればと思う」と述べた。
中国には日本の首相経験者に関与させることで、米国とともにAIIB参加を見送った日本を牽制(けんせい)する狙いがあるとみられる。鳩山氏は昨年11月に北京で金立群総裁に会った際、口頭で打診を受けていた。金氏は、米国からも委員を得たい意向を示していたという。
一方、鳩山氏は16日、清華大学の国際シンポジウム「世界平和フォーラム」で講演し、南シナ海問題について「中国が軍事的な能力を高めてきているのではないかとの懸念が日米の政府間で広がっているが、南沙諸島の領有権問題は当事者間で平和裏に対話によって解決すべきだ」と主張。「習近平(シーチンピン)国家主席が昨年、(軍の)30万人削減を打ち出した。傾聴に値する」とも述べ、中国側の主張に理解を示した。(北京=倉重奈苗)
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朝日新聞国際報道部
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