トルコのクーデター未遂には謎が多すぎるということを何度も書いてきましたが、イスラエルのy net news は今回のクーデターの失敗とエジプトのムルシーに対するクーデターの成功比較した、解説を載せています。
流石のイスラエルメディでも、まだ時間的に十分な情報を得たうえでの分析ではなさそうですが、なかなか面白い分析ですので(クーデターの失敗がイスラエルにとっての意味などというところは割愛して)記事の要点のみ、、次の通り。


今回のクーデターはなぜ起き、エジプトでのクーデターは成功したのに、何故失敗したのか?

世界はトルコからのクーデターの映像を見て、2013年のエジプトのムルシーに対するクーデターを思い起こした。
結末を見るまでは世界が息をひそめていたが、クーデターの失敗を大歓迎したのはカタールであった。エジプトもサウディも口をつぐんでいる。
エジプトのメディアは、クーデターを歓迎し、ムルシーの師匠が倒れたことを喜んだ。ヒズボッラーもシリア政権もエルドアンが倒れたと思って大歓迎した。
これに対して、ガザのハマスはその支持者であるエルドアンが無事であったことを歓迎した。

エジプトでもトルコでも、軍部はイスラム主義政権を歓迎していなかった。
トルコではアタチュルクの作った世俗主義共和国の守護者は軍部であり、軍はこれまでイスラム勢力が政権をとることを防ごうとしてきた。エルドアンは軍部内にある敵意を十分承知していて、、ムルシーの2の舞になることを強く警戒してきた。
彼は世界がいかに素早く軍事政権を承認するかということを認識した。特にサウディはムルシーの転落を大いに歓迎した。

何故エジプトのクーデターは成功し、トルコのは失敗したのか?
エジプトでは軍の最高指導者シーシがクーデターを指導したのに対して、、トルコでは最高幹部は参加せず、中級クラスの士官が指導権をとった。
またエジプトではクーデターに対する大衆の支持fがあったが、ルコではエルドアンがネットを通じて、彼の支持者に街頭に出ることを呼びかけ、大衆の支持を集めることに成功した。
エジプトではムスリム同胞団は1年しか支配せず、経済的な恩恵を与えることができなかったが、トルコではエルドアンの政策の果実が前例のないような経済発展をもたらしていた。

しかし、多くの軍幹部が参加しなかったとはいえ、今回のクーデターのタイミングは、全くの偶然ではない。
トルコの軍人たちは、エルドアンはまともな一貫した対シリア政策を有しておらず、その結果はトルコに害をなしていると考えてきた。
トルコはまず、シリア軍から離脱した自由シリア軍の最大のスポンサーであった。
しかし、その後トルコ政府はよりイデオロギー的に近いイスラム勢力に重点を移した。
最後にはエルドアン政権はISに自由な移動を許し、シリア内で多くの反政府軍指導者を殺すことになり、結果的にアサド政権を助けたことになった。
そうなると米国をはじめ世界はISと戦うためにクルド勢力を助けることとなり、トルコ国境に近い地域にクルド勢力の支配地域ができ始めた。
このため1年前にエルドアンは再び政策変更し、ISを攻撃することとなり米国にインチェリック空港の使用も認めたが、その結果ISの対トルコ・テロを招くこととなった。

そのような中で、全てのトルコ野党も政府を支持しているが、、それはトルコが無秩序に陥ることをISが待ち望んでいることを知っているからで、野党としては平和的な方法でエルドアンを倒したいと思っている。
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4829891,00.html