IMF 米経済は英のEU離脱決定が重大リスク

IMF=国際通貨基金は、アメリカの来年のGDP=国内総生産の伸び率を2.5%のプラスと予測し、経済成長が続くとする報告をまとめましたが、イギリスがEU=ヨーロッパ連合からの離脱を決めたことを受けた金融市場の動向が重大なリスク要因になると指摘しました。
IMFは12日、アメリカ経済についてまとめた報告を公表し、物価の変動を除いた実質のGDPの来年の伸び率を2.5%のプラスと予測し、家計の所得が増えるとともに住宅市場も堅調なことから経済成長が続くとしました。ただ、今後の重大なリスク要因として、イギリスがEUからの離脱を決めたことを受けた金融市場の動向や、経済の実態からかけ離れたドル高が進むこと、それにアメリカ国内での貧富の格差拡大などを指摘しました。

イギリスのEU離脱によるアメリカ経済への影響について、IMFは「アメリカにとって、イギリスは大きな輸出先ではなく、影響は比較的小さいと思うが、まだ不透明な要素が多く、警戒すべきだ」としています。

アメリカの中央銀行に当たるFRB=連邦準備制度理事会も、アメリカ経済は緩やかな成長が続くと予想して追加の利上げを模索していますが、市場では、イギリスのEU離脱による世界経済や金融市場への影響を見極めるため、今月の会合では、利上げはないという見方が多くなっています。