米警察官銃撃事件 容疑者みずから通報し待ち構えたか

米警察官銃撃事件 容疑者みずから通報し待ち構えたか
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アメリカ南部、ルイジアナ州のバトンルージュで複数の警察官がライフルを持った男に銃撃され警察官3人が死亡した事件で、アメリカのメディアは、容疑者の黒人の男が警察官を呼び寄せるために、みずから通報した可能性があると伝え、警察は事件の経緯と動機について調べています。
アメリカ南部、ルイジアナ州バトンルージュで17日午前、不審な人物がいるという通報で駆けつけた警察官が、ライフルを持った男と撃ち合いとなり、警察官3人が死亡し3人がけがをしました。

アメリカのメディアによりますと、容疑者の男は黒い服を着て覆面姿で、その場で射殺された容疑者は、アメリカ海兵隊に所属したことがある29歳の黒人の男だと伝えています。

警察によりますと、通報で警察官が駆けつけると、いきなり銃撃が始まったということで、地元のメディアは男が警察官を呼び寄せるために、みずから通報し、待ち構えていた可能性があると伝えています。

また、アメリカの主要メディアは、容疑者とみられる男がインターネット上に投稿していたとする動画を相次いで紹介し、この中で男は黒人が抑圧されていると主張したうえで、「抑圧をなくすには抗議だけではだめで、流血を伴う反撃が必要だ」と訴えています。

アメリカでは警察官による黒人の射殺事件が相次ぎ、黒人を中心に強い反発が広がっていて、警察は容疑者が住んでいた中西部ミズーリ州の自宅を捜索するなど、事件の経緯と動機について調べています。

相次ぐ銃撃事件 人種問題に改めて注目

アメリカでは今月に入って銃撃事件が相次いでいます。

今月5日には、今回の事件と同じ南部ルイジアナ州のバトンルージュで、37歳の黒人男性が白人の警察官2人に取り押さえられて射殺されました。また、翌日の6日には、中西部ミネソタ州でも黒人の男性が警察の求めに応じて車を止め、その後、警察官に撃たれて死亡しました。

これらの事件は周辺にいた人が一部始終を撮影してインターネットなどに投稿し、警察の過剰な取締りとして、ニューヨークやワシントンなど全米各地で警察に対する抗議活動が行われました。

南部テキサス州のダラスでは、これらの事件に反感を持った黒人の男が警察官12人を銃撃し、5人を射殺する事件が起きました。

このため、アメリカでは人種問題が改めて注目され、オバマ大統領が警察官に射殺された黒人男性の遺族と面会したり、市民との対話集会を行ったりして、人種の問題について国全体で議論するよう呼びかけていました。