先日のイギリスのEU離脱の国民投票においても「移民問題」が焦点となりましたし、移民や難民の問題はヨーロッパを大きく揺さぶっています。そして、「移民の国」であるはずのアメリカでも、メキシコとの国境に「万里の長城」を築いて不法移民を一掃すると主張するドナルド・トランプが下馬評を覆して共和党の大統領候補となってしまいました。
こうした現象を「ポピュリズム」と切って捨ててしまうのは簡単ですが、やはりこの「トランプ現象」というのは立ち止まって考えるべきものでしょう。
そんな「トランプ現象」を考える上で、非常に有益な知見を与えてくれるのがこの本。
アメリカの移民をめぐる政策の変遷や、アメリカの教育制度や社会保障制度、そして犯罪と移民の関わりを読み解くことで、「トランプ現象」の背景が見えてくる構成になっています。
さらに、2007年6月に連邦議会下院で決議された「従軍慰安婦問題についての対日謝罪要求決議」で注目された、「エスニック・ロビイング」などもとり上げ、アメリカ政治に対して移民が与える影響についても分析しています。
「トランプ現象」だけでなく、アメリア社会を読み解く上でも役に立つ本と言えるでしょう。
目次は以下の通り。
第1章では、アメリカの移民の歴史が語られています。
アメリカは「移民の国」ですが、移民のめぐる問題は常にくすぶり続けていました。
1790年台には、フランスやアイルランドからの移民へはフランス革命の急進的な思想の影響を受けているとの不信感が表明されましたし(27p)、1850年代にはアイルランド系移民への反発から反カトリックの「ノウ・ナッシング」と呼ばれる秘密結社が勢力を増大させました(30p)。
その後、中国系移民への反発などから、1890年の国勢調査による外国生まれの人を基準として母国籍を同じくする人に移民枠を割り当てる1924年移民法が成立(34p)。さらに、1965年移民法ではこの割当が撤廃され、移民に関して高技能者とすでにアメリカに居住している人の近親者を優先することとしました(40p)。
この結果、増大したのが中南米系の移民です。彼らは近親者の呼び寄せや、アメリカ生まれの子どもにアメリカ国籍を与えるという制度を利用して、その数を増やしていきました。
ここから中南米系の移民が政治的な問題となってくるのですが、中南米系の移民に対する民主・共和両党の態度は複雑でした。
中南米系の票がほしい民主党の政治家は移民に友好的ですが、労働組合に支持されている民主党の政治家は、賃金下落の恐れなどから移民に敵対的な立場を取ります。一方の共和党も企業経営者に近い政治家は移民を歓迎しますが、移民に対する不安を持つ地域から選出された政治家は移民の増加に反対します(43p)。
このような中で、受け入れるにしろ規制するにしろなかなか思い切った対策を打ち出しにくいのが、今のアメリカの政治の状況なのです。
この中南米系の移民の増加はアメリカの政治にも大きな影響を与えています。この移民の増加と最近のアメリカの政治情勢を読み解いたのが第2章です。
1960年に総人口の85%を占めていた白人(中南米系を除く)の割合は2011年には63%にまで低下しています。一方、中南米系は17%にまで増加しました(50-51p)。
こうした中、中南米系を含むマイノリティは民主党を支持し、白人は共和党を支持するという傾向が強まっています。
しかし、一方で中南米系はつねに民主党を支持するわけではなく、レーガンやブッシュ(子)は大統領選挙で中南米系の3~4割の票を獲得しており、中南米系を攻略できるかが共和党の候補の勝利への鍵となります(52-53p)。
そこで、今回の大統領選挙でもマルコ・ルビオとテッド・クルーズが注目されたわけです。両名ともキューバ系の移民の子で、その政治的な立ち位置は随分と違いますが、中南米系の支持が期待できる人物です。
特にルビオは、2013年に提出された不法移民への合法的地位付与と国境管理強化の両立を図る法案の上院通過に尽力した人物でもあり、中南米系の支持を得られる可能性の高い候補でした(69-70p)。
ところが、共和党の予備選挙は「白人のバックラッシュ」とも呼ばれる現象によってドナルド・トランプの勝利に終わります。
80年代以降、黒人の福祉受給者への反発などからブルーカラーの白人が支持政党を民主党から共和党にシフトさせつつあるのですが、そうした支持層がトランプの移民批判を支持したのです。
移民問題を取り上げればとり上げるほどし支持を増やすトランプに対して、他の候補もトランプに乗っかる形で移民問題をとり上げるようになり、いつの間にか移民対策が最重要課題となっていたのです。
これは中南米系の票を獲得して大統領選挙に勝利しようと考えていた共和党主流派にとっては痛い展開ですが、結局、トランプが押し切ってしまいました。
ここまででも薄めの新書1冊分くらいの内容はあると思いますが、さらに第3章では、教育・福祉・犯罪と移民の関係を探っていきます。著者の専攻は社会福祉政策や犯罪政策であり、この第3章が本書の肝といえるかもしれません。
まず、連邦制を取るアメリカでは、移民政策を決めるのは連邦政府である一方、移民に対する教育や福祉など社会統合に関しては州政府が担うことになります。
州政府から見ると、連邦政府が移民を規制しないせいで自分たちに負担が押し付けられていると感じることになります。このため、州レベルでは「移民に対して厳しい政策」が打ち出されるケースが出てきます。
教育の分野では、アメリカは中央の統制が緩く、教科書検定制度はありませんし、「国語」の授業もありません。その教育内容は学校区のレベルで決まることが多いのです(101p)。このため、中南米系の移民が多い地区では2か国語教育やスペイン語による教育が行われるケースもあります。
この状況を憂慮したのがサミュエル・ハンチントンで、彼は中南米系の移民がアメリカ的価値観やアメリカへの忠誠を持とうとしないとして、それがアメリカの国家としての基盤を掘り崩すと考えました(99ー100p)。
また、こうした状況への反発として、アリゾナ州では2010年に「特定のエスニック集団のために設計された、あるいは、エスニック的一体感を重視する可能性のある授業を、州内の公立学校で実施してはならないと定めた法律」が制定されました(89p)。
福祉については、「アメリカの寛大な社会福祉政策が貧困な移民を引き寄せている」(109p)との指摘があります。
著者は年金、公的扶助、医療保険の各分野について、アメリカの制度を説明しつつ、いずれも移民を引き寄せる要因にはなり難いと結論づけています(そもそも、アメリカ合衆国憲法には生存権の規定がない(115p))。
しかし、「アメリカの公的扶助政策の縮減は、公的扶助受給者は身体的にも精神的にも労働可能であるにもかかわらず怠惰で労働していない人が多い、しかも、その大半は黒人に違いないという、二重の誤解に基づいて進行した」(114p)とも言われており、この「福祉へのタダ乗り批判」には根強い支持があります。実際、オバマ大統領の打ち出した「オバマケア」も不法移民に提供されるとして批判されました。
次に犯罪ですが、中南米系の男性の収監者数の割合は白人男性を大きく上回っています(126p)。このデータを見ると、「移民は危険」となりますし、それを利用する保守派の政治家も多いのですが、このデータにはからくりがあります。
中南米系の収監者の半分近くは移民法関連で収監されており、移民が犯罪を起こしているというよりは、不法移民が厳しく取り締まられるようになった影響で収監者数が増えているのです。
また、アメリカでは民間の刑務所も増えており、移民法関連の収監に特化した民間刑務所も登場しています。そのような民間刑務所が移民取り締まりの強化を求める動きもあるそうです(133p)。
第4章はエスニック・ロビイングについて。
多くの人はユダヤ・ロビーという言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。ユダヤ人が豊富な資金力を持って政府にロビイングするために、イスラエルを批判するような政策が通らないという話です。
アメリカにはさまざまな国からの移民がいて、またアメリカという国の影響力も大きいです。そこで、特定のエスニック集団が自分たちの民族や母国のためにロビイング活動をするのです。
例えば、アルメニア系はこのロビイングを積極的に行っており、2007年にはトルコによりアルメニア人の虐殺をジェノサイドと認めるように求める決議が下院の外交委員会で採択されました。
この決議はトルコの反発を呼びましたが、アメリカでは時の国益と反するようなこのような決議がしばしば行われます。アメリカではエリートが外交を独占する伝統がなく、選挙区の事情などから国益とはまた違ったロジックで議会が動くことが多いのです。
この本では従軍慰安婦についての決議に関してもアルメニア系のロビイングとの絡みが指摘されています(142-147p)。
また、ユダヤ系、キューバ系、メキシコ系のロビイングについても分析しており、これらが一種のトランスナショナル・ポリティクスの様相を示していることも指摘しています。
さらに、アジア系のロビイングについても近年の日系から中国系へのパワーの変遷を紹介しています。予算の縮小にともなって日系の存在感は薄れており、その一方で中国系は潤沢な予算で存在感を示しています。ただ、中国は中国系のアメリカ人のコミュニティの動員には成功していない面もあります。
第5章は、今後の日本への示唆などについて。技能実習生の問題や社会統合の問題などが簡単に触れられています。
このように非常に内容が盛りだくさんの本です。トランプ現象の背景が読み解けるとともに、アメリカの教育・福祉・犯罪と移民の問題の関わりを知ることができ、さらにエスニック・ロビイングを通じて、国境を超えた政治活動についての知見を得ることができる。これだけの内容をコンパクトにまとめた新書というのはなかなかないと思います。
今年の秋の大統領選挙を前に、多くの人に薦めたい本ですね。
移民大国アメリカ (ちくま新書)
西山 隆行

こうした現象を「ポピュリズム」と切って捨ててしまうのは簡単ですが、やはりこの「トランプ現象」というのは立ち止まって考えるべきものでしょう。
そんな「トランプ現象」を考える上で、非常に有益な知見を与えてくれるのがこの本。
アメリカの移民をめぐる政策の変遷や、アメリカの教育制度や社会保障制度、そして犯罪と移民の関わりを読み解くことで、「トランプ現象」の背景が見えてくる構成になっています。
さらに、2007年6月に連邦議会下院で決議された「従軍慰安婦問題についての対日謝罪要求決議」で注目された、「エスニック・ロビイング」などもとり上げ、アメリカ政治に対して移民が与える影響についても分析しています。
「トランプ現象」だけでなく、アメリア社会を読み解く上でも役に立つ本と言えるでしょう。
目次は以下の通り。
第1章 アメリカ移民略史
第2章 移民政策
第3章 移民の社会統合―教育・福祉・犯罪
第4章 エスニック・ロビイング
第5章 移民大国アメリカが示唆する日本の未来
第1章では、アメリカの移民の歴史が語られています。
アメリカは「移民の国」ですが、移民のめぐる問題は常にくすぶり続けていました。
1790年台には、フランスやアイルランドからの移民へはフランス革命の急進的な思想の影響を受けているとの不信感が表明されましたし(27p)、1850年代にはアイルランド系移民への反発から反カトリックの「ノウ・ナッシング」と呼ばれる秘密結社が勢力を増大させました(30p)。
その後、中国系移民への反発などから、1890年の国勢調査による外国生まれの人を基準として母国籍を同じくする人に移民枠を割り当てる1924年移民法が成立(34p)。さらに、1965年移民法ではこの割当が撤廃され、移民に関して高技能者とすでにアメリカに居住している人の近親者を優先することとしました(40p)。
この結果、増大したのが中南米系の移民です。彼らは近親者の呼び寄せや、アメリカ生まれの子どもにアメリカ国籍を与えるという制度を利用して、その数を増やしていきました。
ここから中南米系の移民が政治的な問題となってくるのですが、中南米系の移民に対する民主・共和両党の態度は複雑でした。
中南米系の票がほしい民主党の政治家は移民に友好的ですが、労働組合に支持されている民主党の政治家は、賃金下落の恐れなどから移民に敵対的な立場を取ります。一方の共和党も企業経営者に近い政治家は移民を歓迎しますが、移民に対する不安を持つ地域から選出された政治家は移民の増加に反対します(43p)。
このような中で、受け入れるにしろ規制するにしろなかなか思い切った対策を打ち出しにくいのが、今のアメリカの政治の状況なのです。
この中南米系の移民の増加はアメリカの政治にも大きな影響を与えています。この移民の増加と最近のアメリカの政治情勢を読み解いたのが第2章です。
1960年に総人口の85%を占めていた白人(中南米系を除く)の割合は2011年には63%にまで低下しています。一方、中南米系は17%にまで増加しました(50-51p)。
こうした中、中南米系を含むマイノリティは民主党を支持し、白人は共和党を支持するという傾向が強まっています。
しかし、一方で中南米系はつねに民主党を支持するわけではなく、レーガンやブッシュ(子)は大統領選挙で中南米系の3~4割の票を獲得しており、中南米系を攻略できるかが共和党の候補の勝利への鍵となります(52-53p)。
そこで、今回の大統領選挙でもマルコ・ルビオとテッド・クルーズが注目されたわけです。両名ともキューバ系の移民の子で、その政治的な立ち位置は随分と違いますが、中南米系の支持が期待できる人物です。
特にルビオは、2013年に提出された不法移民への合法的地位付与と国境管理強化の両立を図る法案の上院通過に尽力した人物でもあり、中南米系の支持を得られる可能性の高い候補でした(69-70p)。
ところが、共和党の予備選挙は「白人のバックラッシュ」とも呼ばれる現象によってドナルド・トランプの勝利に終わります。
80年代以降、黒人の福祉受給者への反発などからブルーカラーの白人が支持政党を民主党から共和党にシフトさせつつあるのですが、そうした支持層がトランプの移民批判を支持したのです。
移民問題を取り上げればとり上げるほどし支持を増やすトランプに対して、他の候補もトランプに乗っかる形で移民問題をとり上げるようになり、いつの間にか移民対策が最重要課題となっていたのです。
これは中南米系の票を獲得して大統領選挙に勝利しようと考えていた共和党主流派にとっては痛い展開ですが、結局、トランプが押し切ってしまいました。
ここまででも薄めの新書1冊分くらいの内容はあると思いますが、さらに第3章では、教育・福祉・犯罪と移民の関係を探っていきます。著者の専攻は社会福祉政策や犯罪政策であり、この第3章が本書の肝といえるかもしれません。
まず、連邦制を取るアメリカでは、移民政策を決めるのは連邦政府である一方、移民に対する教育や福祉など社会統合に関しては州政府が担うことになります。
州政府から見ると、連邦政府が移民を規制しないせいで自分たちに負担が押し付けられていると感じることになります。このため、州レベルでは「移民に対して厳しい政策」が打ち出されるケースが出てきます。
教育の分野では、アメリカは中央の統制が緩く、教科書検定制度はありませんし、「国語」の授業もありません。その教育内容は学校区のレベルで決まることが多いのです(101p)。このため、中南米系の移民が多い地区では2か国語教育やスペイン語による教育が行われるケースもあります。
この状況を憂慮したのがサミュエル・ハンチントンで、彼は中南米系の移民がアメリカ的価値観やアメリカへの忠誠を持とうとしないとして、それがアメリカの国家としての基盤を掘り崩すと考えました(99ー100p)。
また、こうした状況への反発として、アリゾナ州では2010年に「特定のエスニック集団のために設計された、あるいは、エスニック的一体感を重視する可能性のある授業を、州内の公立学校で実施してはならないと定めた法律」が制定されました(89p)。
福祉については、「アメリカの寛大な社会福祉政策が貧困な移民を引き寄せている」(109p)との指摘があります。
著者は年金、公的扶助、医療保険の各分野について、アメリカの制度を説明しつつ、いずれも移民を引き寄せる要因にはなり難いと結論づけています(そもそも、アメリカ合衆国憲法には生存権の規定がない(115p))。
しかし、「アメリカの公的扶助政策の縮減は、公的扶助受給者は身体的にも精神的にも労働可能であるにもかかわらず怠惰で労働していない人が多い、しかも、その大半は黒人に違いないという、二重の誤解に基づいて進行した」(114p)とも言われており、この「福祉へのタダ乗り批判」には根強い支持があります。実際、オバマ大統領の打ち出した「オバマケア」も不法移民に提供されるとして批判されました。
次に犯罪ですが、中南米系の男性の収監者数の割合は白人男性を大きく上回っています(126p)。このデータを見ると、「移民は危険」となりますし、それを利用する保守派の政治家も多いのですが、このデータにはからくりがあります。
中南米系の収監者の半分近くは移民法関連で収監されており、移民が犯罪を起こしているというよりは、不法移民が厳しく取り締まられるようになった影響で収監者数が増えているのです。
また、アメリカでは民間の刑務所も増えており、移民法関連の収監に特化した民間刑務所も登場しています。そのような民間刑務所が移民取り締まりの強化を求める動きもあるそうです(133p)。
第4章はエスニック・ロビイングについて。
多くの人はユダヤ・ロビーという言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。ユダヤ人が豊富な資金力を持って政府にロビイングするために、イスラエルを批判するような政策が通らないという話です。
アメリカにはさまざまな国からの移民がいて、またアメリカという国の影響力も大きいです。そこで、特定のエスニック集団が自分たちの民族や母国のためにロビイング活動をするのです。
例えば、アルメニア系はこのロビイングを積極的に行っており、2007年にはトルコによりアルメニア人の虐殺をジェノサイドと認めるように求める決議が下院の外交委員会で採択されました。
この決議はトルコの反発を呼びましたが、アメリカでは時の国益と反するようなこのような決議がしばしば行われます。アメリカではエリートが外交を独占する伝統がなく、選挙区の事情などから国益とはまた違ったロジックで議会が動くことが多いのです。
この本では従軍慰安婦についての決議に関してもアルメニア系のロビイングとの絡みが指摘されています(142-147p)。
また、ユダヤ系、キューバ系、メキシコ系のロビイングについても分析しており、これらが一種のトランスナショナル・ポリティクスの様相を示していることも指摘しています。
さらに、アジア系のロビイングについても近年の日系から中国系へのパワーの変遷を紹介しています。予算の縮小にともなって日系の存在感は薄れており、その一方で中国系は潤沢な予算で存在感を示しています。ただ、中国は中国系のアメリカ人のコミュニティの動員には成功していない面もあります。
第5章は、今後の日本への示唆などについて。技能実習生の問題や社会統合の問題などが簡単に触れられています。
このように非常に内容が盛りだくさんの本です。トランプ現象の背景が読み解けるとともに、アメリカの教育・福祉・犯罪と移民の問題の関わりを知ることができ、さらにエスニック・ロビイングを通じて、国境を超えた政治活動についての知見を得ることができる。これだけの内容をコンパクトにまとめた新書というのはなかなかないと思います。
今年の秋の大統領選挙を前に、多くの人に薦めたい本ですね。
移民大国アメリカ (ちくま新書)
西山 隆行