ソフトバンク史上最大、3.3兆円で英ARM買収

日本時間の18時15分から記者会見

7月18日、ソフトバンクグループは、英半導体設計ARMホールディングスを約3.3兆円で買収することで合意したと発表した。都内で昨年8月撮影(2016年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 18日 ロイター] - ソフトバンクグループ<9984.T>は18日、英半導体設計ARMホールディングス<ARM.L>を約240億ポンド(約310億ドル、約3.3兆円)で買収することで合意したと発表した。あらゆるものがインターネットにつながるIoT(インターネット・オブ・シングス)時代を見据え、同領域で成長が期待されているARMを買収することで需要の取り込みを目指す。

ソフトバンクにとっては、米スプリント<S.N>買収(約220億ドル)を上回る過去最大の買収となる。

孫正義社長は発表資料で「今回の投資の目的はIoTがもたらす非常に重要なチャンスをつかむことにあり、ARMはグループ戦略において重要な役割を果たす」とコメントした。

1株当たりの買収額は17ポンドと、15日終値(11.89ポンド)に約43%上乗せした。9月30日までの完了を目指し、完全子会社化する。

買収資金はみずほ銀行がアレンジする借入限度額1兆円の借入(ブリッジローン)と手元資金で賄い、長期資金へと切り替えていく予定。

ARMはスマートフォン(スマホ)に強く、最新の技術は米アップル<AAPL.O>や韓国サムスン電子<005930.KS>、中国の華為技術(ファーウェイ)<HWT.UL>が採用している。IoTの領域でも小型化・低消費電力への需要を背景に攻勢を強めている。

ソフトバンクは人工知能(AI)が人間の能力を超えるシンギュラリティ(特異点)に向けて、AIとスマートロボット、IoTの3領域が鍵を握ると判断、この分野を強化する方針を示していた。

ソフトバンクをめぐっては、足元で中国の電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディング<BABA.N>株の一部や、フィンランドのスマートフォン向けゲーム会社スーパーセル、ガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765.T>の売却などで2兆円に近い資金を手にしており、その使途をめぐっては大型買収の可能も取り沙汰されていた。

 

(志田義寧)

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