わたしは、「ひと」に興味があります。
仕事では、人事部にいます。
「ひと」にかかわる仕事しかしていません。
やりがいを感じています。
(ちなみにその前は経理にいましたが、数字やお金に興味をもてず死んだ目の魚になっていました。。経理の人すごい。おまつすごい。)
プライベートでは、みなさんのブログを読んでいます。
もはや趣味です。
みんながどんな人なのか、どんなことを書いているのか、読むのがとても楽しいです。
わたしは、「ひと」と「ひとの発する言葉」が好きなんだということです。
(そういえば、大学は人文学専攻でした。)
おもしろい人、魅力的な人、すてきな言葉を見つけると、わくわくします。
これからの50記事は、「ひと」と「言葉」について積極的に書いていこうと
思います。
(雑記の記事を交えながら)
今まで記事にした人をナンバリングしてみたところ今日は、5番目の人物紹介です。
ゆるじんぶつ図鑑 005
[名前] すぎの木くん
[地域] 郊外の中学校
[所属] 中2男子
[属性] そのへんにいた男の子
[お仕事] 読書
すぎの木くんは、わたしが中学2年生の時の隣の席の男の子です。
すぎの木くんは、ちょっと変わった男の子でした。
浮いているというかんじです。
また、とんがっているかんじでキレやすいキャラでもあり、他の男の子とよく喧嘩など揉めていたので、先生やクラスメートのウケは良くなかったです。
そんなすぎのきくんなので、休み時間は1人で本を読んでいることが多かったです。
いつも読んでいた本は、赤毛のアンシリーズでした。
すぎのきくんのロッカーには、赤毛のアンシリーズがずらっと並べてありました。
すぎのきくんは、となりの席のわたしには話しかけてくれました。
わたしが他のクラスメートと違って、すぎの木くんに対して良くない感情は持ってはいないということを、わかっていたのでしょうか。
(わたしは大人になった今でも会社で、「もふのきさんの男に対するポイントの与え方が特殊」って言われます。当時から、他の女子と視点が違ったように思います。)
すぎのきくんは、
「ここ、おもしろいから読んでみて?」
と、おもしろい箇所を見つけると、わたしに教えてくれました。
読んでみると、なるほどおもしろいです。
わたし「うん、おもしろいね。」
「でしょ。」
そんなやりとりが、楽しかったです。
ある日の国語の時間
授業がはじまっても、すぎのきくんは教科書を開かずに、赤毛のアンを読んでいました。
きっと、ちょうどいいところだったのだと思います。
でももちろん国語の先生は、
「本を読むことは良いことだけれども、今は授業中なので、その本はしまいましょう。」
と注意しました。
真っ当な、きちんとした注意です。
でもそこは、とんがっていてキレやすいすぎのきくん。
何回かやりとりがあったと思いますが、その末に教室の窓から外へ赤毛のアンシリーズを全部投げてしまいました。
赤毛のアンが好きすぎて、何かスイッチが入ってしまったのでしょうか。
本が飛んでいく様子が、なんだかきれいで忘れられません。
(あとで先生と拾いに行ってました。)
もしすぎの木くんが、いまとなりにいたとしたら
赤毛のアンを読むと、こんな風にすぎの木くんのことを思い出します。
今、どうしてるかなあ。
もし今、すぎの木くんが今でとなりの席だったら、
「ねえねえ、ここ読んでみて?」って言いたい箇所があります。
すぎの木くんがいないので、みなさんに紹介してもいいですか?
(こたえを聞かずに進めます。
これ借りてもいい?もう使ってるやん。的な。)
アンがマシュウにチョコレートをもらったシーン
「ええ、いちどきになんか食べないわ」アンは夢中になって言った。「今晩は一つだけにしておくわ、マリラ。それからこれ、半分ダイアナにあげていいでしょう?そうしたら、あとの半分は倍もおいしくなるわ。ダイアナにあげるものができたと思うと、うれしいわ」

「あの子のいいところは、けちでないことですよ」
アンが自分の部屋へ行ってしまうと、マリラが言った。「うれしいですね。何がいやだっても、けちんぼのこどもくらい、いやなものはないですからね。おやまあ、あの子がきてから、まだ三週間しかたっていないのに、もとからずっといたような気がするじゃないの。あの子のいないこの家なんて想像もできませんよ。それみろ、言わんこっちゃない、なんて顔をするものじゃありませんよ、マシュウ。そんな顔は女からされてもいやなものだけれど、男からじゃ、がまんがならないからね。あの子を置いとくことを承知してよかったと思っていることや、あの子を好きになっていくってことはよろこんでみとめますがね。あまりくどくどわたしに言うのはやめてくだいよ、マシュウ兄さん」
『赤毛のアン』モンゴメリ著 村岡花子訳
マリラはホント、ツンデレだな~。
アンがいなくなってから、ほめちぎってます。
それを、(きっと)満足そうに聞いているマシュウ。
マシュウはひとことも何も言ってないし、これからも言わないのに「くどくど言わないでよね」なんて言われてる。
マリラは、マシュウの表情だけで言いたいことを読み取れるんですね。
このシーン、ほわんとするし、ちょっとおもしろくてとても好きです。
聞いていただいて、ありがとうございます。
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