【コラム】中国の報復がそんなに怖いのか

【コラム】中国の報復がそんなに怖いのか

 中国といえば思い浮かぶ動物はパンダと竜だ。パンダが友情や親近感の象徴だとすれば、竜はパワーや覇権を想起させる。米国の中国研究家たちは「パンダ抱擁派(panda-hugger)」と「竜虐殺派(dragon-slayer)」に分けられる。前者は親中派、後者は反中派を意味する。

 40年以上にわたって中国を担当してきた、ハドソン研究所中国センターのマイケル・ピルズベリー所長は昨年、『100年のマラソン』という著書を刊行した。中国が建国100周年を迎える2049年までに、米国を抑えて世界に覇権を唱えるという夢を抱いているという内容だ。

 この本では、米国と中国の間に密約があると主張している。その秘密の約束には、韓国や日本にも知られていない内容が含まれているという。北朝鮮問題も、韓国が知らないうちに、両国が耳打ちし合っているということを暗示している。

 興味深いのは、ピルズベリー氏自身の変節の告白だ。同氏は中国が経済成長を持続すれば、日本や韓国のような民主国家に生まれ変わるだろうと信じ続けてきた。中国に対し、愛らしいパンダのようなイメージを持っていたというわけだ。ところが今は、人権を無視し、独裁を強化し、周辺国を苦しめる中国を目の当たりにして、考えが変わったというのだ。力を振りかざしていた全盛期に戻ろうとすることこそ「中国の夢」だ、とピルズベリー氏は見ている。そのため、「竜」を攻撃する勢力に加わったというわけだ。

 米国には依然として、「中国の善意」を信じる人が少なくない。だが、ピルズベリー氏のように「中国異質論」を唱える専門家や政治家たちが、4-5年の間に急増している。中国が米国の「友人」になるだろうという幻想を捨てるべきだという声が高まっているというわけだ。

 決定的なきっかけは、習近平国家主席の登場だ。習近平主席は故・トウ小平氏以来最も有能な指導者だ。トウ小平氏は皇帝のように君臨していた毛沢東の時代を終わらせるため、副主席の地位にとどまり続けた。その後の歴代主席たちも全権を掌握することはできなかった。だが習主席は全ての権力を掌握した。さらに習主席をたたえる歌まで作られている。

宋煕永(ソン・ヒヨン)主筆
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