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信毎web

2016年7月18日
月曜日

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長野県のニュース

経済対策策定 土建国家に戻るのか

 安倍晋三政権の経済政策アベノミクスの限界を、改めて浮き彫りにした経済対策だ。

 首相が関係閣僚に月内に策定するよう指示した。公共事業を柱に据えた内需の下支え策を柱に、中小企業の資金繰り対策や防災対応強化などを打ち出している。事業規模は10兆円を超えるという。

 大型船が入れる港湾や農産物輸出拠点の整備、地震や豪雨に備えた公共事業が並ぶ。いずれも土木、建設事業に税金を投入する対策となっている。

 経済対策を公共事業に頼る旧来の政策に回帰したといえる。公共事業に大量に資金を供給しても一時的な刺激策にしかならない。建設、土木業界では人手不足が続く。政策の即効性に疑問も残る。

 過去の政権が経済対策として繰り返してきた公共投資は景気浮揚に十分つながらず、財政悪化を招いた。今回も建設国債を追加発行し財源を補う考えを示している。同じ轍(てつ)を踏むつもりなのか。

 2020年度に基礎的財政収支を黒字にする財政健全化目標は堅持するという。消費税増税の延期に続いて国債を追加発行し、どう達成するのか。説得力はない。

 国の信用力で借りた資金を民間に貸し出す財政投融資を積極的に活用する方針にも懸念がある。

 返済される前提のため、基礎的財政収支に影響しない。日銀のマイナス金利政策で資金も調達しやすい。財政悪化の懸念がある中では活用しやすい手法だろう。

 融資先として、リニア中央新幹線の大阪延伸前倒しのほか、円高の影響を受ける中小企業が挙がっている。

 中小向け融資は、貸出金が伸び悩む民間金融機関の融資機会を奪う心配がある。公共的な資金で民業を圧迫しては本末転倒だ。かといって民間が融資しない信用力の低い企業を対象にすると、競争力の乏しい企業の延命につながる。貸し倒れリスクも高まる。財投の資金は国債の一種の財投債で賄うことも忘れてはならない。

 政府が安易に国債の追加発行に踏み切るのは、日銀が償還時の損失を容認しつつ、大量に国債の購入を続けているからだ。日銀が保有する国債は発行残高の3分の1を占めているのに、大規模金融緩和の出口は見えない。現状はすでに国の財政を日銀が支える財政ファイナンスに近い。

 日銀はいつまでも現在のペースで国債を購入できない。政府が財政規律を軽んじると、日本経済の国際的な信認が低下し、国債価格暴落と金利急騰を招きかねない。

(7月14日)

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