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【野口裕之の軍事情勢】
民進党が掲げる「専守防衛」とは「本土決戦・1億総玉砕」に等しい これぞ日本国憲法に反するではないか
参議院選挙の結果、憲法改正発議に必要な3分の2勢力を衆参両院で得た。現実的論議をおし進め、専守防衛をめぐる度を超した自虐・自縛的解釈を転換する好機としたい。民進党は政策に《専守防衛》と《抑止力》を掲げる。《他国に脅威》を与えないとも。しかし、脅威の質にもよるが「他国に脅威を与えない」専守防衛では、抑止力が機能しない。それどころか、国土の幅が狭い日本列島では「本土決戦」につながる。そんな危険な戦略が「生命尊重」を定める憲法上、許されるはずがない。
小欄がインタビューした退役英海軍大将は「危険思想」とまで断じている。封建時代において、いくさ上手の智将は勝利を目的とした場合、味方の来援が期待できない情勢下で「ろう城」策は採らなかった。基本的に、味方来援までの時間稼ぎに過ぎぬからだ。だが、日本の自主防衛をかつてないほど強く主張し始めた米国が米軍を急派する保障はない。全体、専守防衛に自虐・自縛的解釈をまぶし、「本土決戦」に追い込まれ、大日本帝國でさえ回避した「1億総玉砕」に突き進もうというのか。
そういえば、内応した裏切り者が城門を開け、敵を迎え入れたろう城戦も歴史上、少なくない。中国共産党は、日本の専守防衛堅持を大歓迎するが、日本国内の内応者が誰か、見極める必要がある。
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