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【プロ野球】

日本ハム・大谷 1発含む4打数3安打2打点でMVP

2016年7月17日 紙面から

全セ−全パ 5回表無死、左中間にソロを放つ大谷。投手井納=横浜スタジアムで(北田美和子撮影)

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◇マツダオールスターゲーム<第2戦> 全セ5−5全パ

 互いに点の取り合いで譲らず、5−5で引き分けた。全パは0−3の5回に大谷のソロと浅村の2ランで追い付き、7回に今宮の内野安打で1点を加えた。全セは3−4の7回1死から鈴木と代打原口の連続二塁打で同点とし、なお1死二塁から大引の適時打で勝ち越したが、8回に全パは大谷が3安打目となる右前適時打を放って追い付いた。

    ◇

 日本ハム・大谷が豪快弾で球宴史に名を刻んだ。3点を追う5回先頭で球宴史上初となる二刀流選手の本塁打をマーク。「真っすぐだけ狙っていた。感覚はよかった」。DeNA・井納の甘く入った外角高め真っすぐを左翼席中段に放り込んだ。その後もバットは絶好調で3安打2打点2得点。自身初のMVPに輝いた。

 ファン投票先発投手部門で選出されたが、右手中指のまめがつぶれた影響で打者として出場。3年ぶり球宴登板はお預けとなったがスター軍団の中でもひときわまぶしい光を放ち続けた。第1戦はホームランダービーで初優勝。第2戦は「(本塁打を)狙っていきたい」と宣言した予告ホームランを、病床の少年との約束を果たしたという逸話を持つ「野球の神様」ベーブ・ルースのごとく、見事達成した。さらに7回先頭で左前打を放つと、8回には同点右前適時打でチームのピンチを救った。

 2桁勝利と2桁本塁打を同一シーズンで達成したという点でも本家と共通点を持つ平成の和製ルース。「投手として自分のパフォーマンスを見せたかったが、こういう形になった。何とか活躍したかった。ファン投票の期待に応えられるように盛り上げたかった」との思いを秘めた大谷は、ファンの期待を裏切らなかった。場内をどっと沸かせ続けた「大谷祭」で一刀流の球宴を締めくくった。

 そんな22歳は安打後の塁上でちょっとした気配りをする。ある選手はこう明かす。「みんなあいさつはするけど、名前を呼んでくれる選手はいない。大谷は必ず名前を呼んでから、あいさつをしてくれる。何かうれしいですよね」。大谷の源流は抜きんでた技術だけではない。癒やし系の律義さも大きな武器だ。

 18日の楽天戦(札幌ドーム)からリーグは再開。「仕切り直して一戦一戦、戦っていきたい」。後半戦も球宴で経験値が増した大谷から目が離せない。 (小林良二)

 

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