【社説】AIIB洪起沢副総裁更迭疑惑、国会聴聞会で真相を明らかにせよ

 アジアインフラ投資銀行(AIIB)の洪起沢(ホン・ギテク)副総裁が事実上、更迭された事態の背景をめぐり、新たな疑惑が相次いで明らかになっている。当事者である洪副総裁が海外潜伏している中、政府はAIIBが洪副総裁に辞任を要求していたことを知りながらも秘密にし、「休職」という理由で事態をもみ消そうとした疑惑が浮上した。主務部処(省庁)の企画財政部(省に相当)はこうした疑惑を否定したが、政府内部でも関係者の間では説明が異なり、混乱が広がっている。

 政府関係者や洪副総裁に近い関係者によると、洪副総裁は先月22日ごろ、AIIBから「1週間以内に辞任など去就を決めよ」と要求され、企画財政部に知らせたという。ところが、企画財政部はその事実を公表しないままAIIB側と協議し、「休職」処理することで妥協したというのだ。さらに、洪副総裁が出勤をやめて休職してからも政府は口を閉ざした。この問題は、AIIBが公式ホームページで洪副総裁の休職を発表して初めて外部に分かった。副総裁の職を失うことになったのにもかかわらず、政府は6日間も知らないふりをして国民をだましていたということだ。

 「洪起沢騒動」は謎だらけだ。金融実務経験がない資格が不十分な人物を韓国産業銀行会長に起用し、国際機関の要職にまで就かせたこと自体、納得しがたいことだ。これをめぐる疑惑は絶対に国会聴聞会で真相を明らかにしなければならない。

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース