15日午後2時、江原道束草市の観光名所・青草湖にある湖水公園。世界で爆発的な人気を呼んでいるスマートフォン(スマホ)ゲーム「ポケモンGO」が韓国国内でできる場所として知られて以来、ゲームプレーヤー約200人(警察推定)がスマホを手に同公園のあちこちを歩き回っている。中には湖の上に姿を現したポケモンをつかまえると言って、転落防止のため設置された手すりの上に登るプレーヤーもいた。
公園脇の道路の横断歩道には、歩行者用信号が青でないのにポケモンをつかまえようと無断横断するプレーヤーが目についた。インターネット放送「アフリカTV」では、あるBJ(番組進行係)が運転中の車の助手席側ダッシュボード(速度計などの運転に必要な各種計器が付いている部分)にポケモン1匹が現れたため、右手であわててポケモンを捕獲する様子が放送された。
タクシー運転手のチェ・ドゥボクさん(54)は「ふらふら走っている車をよく見てみると、ほとんどがスマホを見ている。クラクションを鳴らして危ないと警告しても、ゲームに夢中でスマホを見ながら運転を続けている」と言った。
ポケモン探しによる交通違反が相次いでいることから、束草市民の間では「青草湖遊園地やエキスポ公園の近くを通る時は『スマホ・ゾンビ(歩きスマホをする人)』たちにぶつからないように注意しろ」という声が広まっている。
拡張現実(AR)を活用したスマホゲーム「ポケモンGO」が原因により米国でさまざまな人身事故が相次いでいる中、韓国国内でゲームができる江原道束草市・襄陽郡・高城郡が大変なことになっている。江原地方警察庁は15日午前、「ポケモンGO特別治安対策報告会」を開き、地域の交通安全や性犯罪予防のための対策を実施することにした。人口約8万2000人の束草市では、まだ本格的な夏休みシーズンではないが、13日から一日約1000人のポケモンGOプレーヤーが押し寄せている。週末の16日と17日にはさらに多くのプレーヤーが集まると束草市では予想している。韓国で少なくとも30万-40万人がこのゲームをダウンロードしたとゲーム業界で推定しているからだ。
旅行業界によると、束草地域にある宿泊施設の今週末の予約は前週比で3倍以上に増えたという。束草市には昨年の夏休みシーズン中、観光客約560万人が訪れたが、今年は「ポケモンGO特需」で600万人以上に増えると予想されている。
警察は、ポケモンGOの影響により江原道でさまざまな事件・事故が起こる可能性があると見て、合計196人の治安要員を動員して犯罪予防と治安活動に乗り出すことにした。
まず、ポケモンがよく出現して人が集まると思われる地域や、無料Wi-Fi地域に防犯診断チーム(CPO)を投入、起動中隊とパトロール車両を随所に配置し、強盗・スリといった犯罪を予防することにした。また、女性を狙った性犯罪の発生を防ぐため、性犯罪専門チーム12人も現場に投入する。