都知事は知事と市長の権力W持ちと同等 東電にも影響与える
NEWSポストセブン / 2016年7月17日 7時0分
都知事には莫大な利権が…
14日に告示され、ますますヒートアップしている東京都知事選。年間の予算は約13兆7000億円。これはスウェーデンに匹敵する規模。GDP換算では約1兆6000億ドルで、お隣の韓国の国全体のGDP(約1兆3000億ドル)を大きく上回る。もし東京が独立国になれば、世界ランクでは10位前後になり、いきなり“主要国”の仲間入りする。そんな東京都を束ねる都知事は必然的に大きな権力を手にすることとなる。
それほど強大な組織のトップであるにもかかわらず、「それはやっていい」「やってはいけない」と、かなり細かいことまで自分で決められるのも、都知事のすごいところ。
例えば病院や福祉施設などを開設する認可を出したり、病床数の上限を決めたりするのも都知事の権限。飲食店の営業許可や公益法人の認定も都知事が権限を握っている。そうした権限を「許認可権」と呼ぶが、都知事の許認可権の範囲は総理大臣や各省の大臣より広い。
2012年、当時都知事だった猪瀬直樹氏(69才)が医療法人の徳洲会から5000万円の資金提供を受けて事件になった。ほとんど面識がないという相手が、それほどの額をポンと出したのには驚かされたが、都知事のもつ許認可権を狙ったものだといわれている。
「徳洲会は23区内に徳洲会病院を設置するのが悲願。5000万円は都知事に病院の設置を認めてもらうための“裏金”と見られても仕方ありません」(政治ジャーナリスト)
都市開発では、道路や鉄道、空港、公園緑地、水道や下水道の整備、産廃施設、河川管理、土地区画整備事業、さらに建物の容積率や建ぺい率の決定なども都知事の権限の範疇だ。
「それらは本来、市町村長の権限ですが、東京23区については区長ではなく都知事に権限があるんです。知事と市長の権限をダブルで持っているのと同じですね。そうした権限を使えば、設計の業者から工事をする業者、建材を納入する業者まで自由に決めることも可能なんです。
石原慎太郎元都知事は、2000年に秋葉原の再開発計画を打ち出し、JR秋葉原駅前の都有地をあるゼネコンに事実上無競争で払い下げました。石原氏とそのゼネコンは深い関係にあったことから、“出来レース”だと問題になりました」(前出・ジャーナリスト)
東京都で現在進行形の案件といえば、なんといっても2020年の東京五輪に向けたインフラ整備事業だ。
1万7000人を収容する東京・晴海の選手村の建設費は約1000億円。1万5000人が入れるバレーボール会場など3つのアリーナなどが新設される。仮設や大改修を合わせれば、実に20か所の競技場の整備を東京都が担当することに。
「それらの施設整備だけで数千億円の規模の予算を都知事が握っている」(記者)
交通インフラをめぐる利権はさらに大きい。都営地下鉄の新線建設も都の直轄事業。総事業費4兆円ともいわれる首都高速都心環状線の再整備もあるが、首都高の株の約半分を持っているのは東京都だから、都知事の意向でなんとでもなる。
さらに東京都は東京電力の第4位の大株主。つまり電力行政にも口を挟める立場で、都知事が「危険な原発を運転させるな」と主張すれば、東京電力の原発再稼働に影響を与えることもできる。国ではないのに、“外交”もできる。
「石原元知事が尖閣諸島を都で購入しようと動いたため、“勝手なことをされては困る”と、国が国有地化。中国の強硬な反発を買いました」(前出・ジャーナリスト)
それほど巨大な権限を持っている都知事だからこそ、ふさわしい人物を見極めねばならない。
※女性セブン2016年7月28日号
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