ＡＳＥＭ議長声明「国際法に従い紛争解決が重要」7月16日 17時08分

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モンゴルで開かれていたＡＳＥＭ＝アジア・ヨーロッパ首脳会議は、国際的な仲裁裁判で、中国が南シナ海のほぼ全域の管轄権を主張するのは国際法に違反するとの判断が示されたことを念頭に、「国際法に従って争いを解決するのが重要だ」などとする議長声明を採択して終了しました。

モンゴルで開かれていたＡＳＥＭ首脳会議は、１６日、会議の成果を盛り込んだ議長声明を採択して終了しました。
今回の会議は、国際的な仲裁裁判で、中国が南シナ海のほぼ全域の管轄権を主張することは法的根拠がなく国際法に違反するという判断が示されてから、首脳級が出席する初めての国際会議となりました。
このため声明には、名指しを避けながらも、南シナ海で海洋進出の動きを活発化させながら仲裁裁判の判断を受け入れないとする中国を念頭に、「武力や威嚇を用いずに、国連海洋法条約などの原則に沿って争いを解決することが極めて重要だ」との考えが盛り込まれました。
終了後の記者会見でＥＵ＝ヨーロッパ連合のトゥスク大統領は、「今回の声明は南シナ海での争いの解決に向けて弾みとなるだろう。中国側と合意することは簡単ではないが、うまくいくよう期待したい」と述べました。
今回の会議では、中国が結びつきの強い国々と個別の会談しみずからへの支持を働きかけるなど外交攻勢を強めていましたが、国際社会は中国に対して仲裁裁判の判断を受け入れるよう促す形となりました。