歌で平和尊さ伝えたい 秋に京都・宇治で合唱会
京都府宇治市を拠点に活動する合唱団とコーラスグループが、反戦をテーマにした合同合唱会「君死にたまふことなかれ」を、今秋に宇治市内で開く。メンバーはシルバー、シニア世代で、戦争体験者もいる。「世界各地で紛争やテロが相次ぐなか、歌を通して平和の尊さを伝えたい」と練習に励んでいる。
合同合唱会を開くのは、60~90代で構成する宇治シルバー合唱団「炎」と、50代が中心の女性コーラス「しあわせ」。ともに指導する下城衣子さん(67)が「人間は平和を求める一方で、殺し合いや戦争をする愚かさも持つ。戦後70年を超えた今、人間や平和のありようを考える場をつくりたい」と合同合唱会を計画した。
歌うのは、日露戦争時に与謝野晶子が発表した「君死にたまふことなかれ」、谷川俊太郎さんがベトナム戦争さなかの1965年に作詞した「死んだ男の残したものは」など14曲。戦後に流行した「リンゴの唄」「青い山脈」なども披露する。
「炎」のメンバーで、宇治市南陵町の小林博さん(85)は45年8月13日に長野県の自宅で空襲に遭った。「機銃掃射の音も、その後に多く見た戦争孤児の姿も忘れられない。歌詞に込められた思いを伝えたい」と話す。
合同合唱会は10月23日午後1時半から、宇治市折居台の市文化センターで開かれる。無料。問い合わせは実行委事務局の携帯電話090(8230)2567。
【 2016年07月13日 12時15分 】