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日本、声明発表を優先 南シナ海…中国と神経戦

アジア欧州会議に参加する中国の李克強首相=モンゴル・ウランバートルで15日、AP

 【ウランバートル田所柳子、西岡省二】モンゴル・ウランバートルで15、16の両日開かれたアジア欧州会議(ASEM)首脳会議では、南シナ海問題で仲裁裁判所の判決が中国の主張を退けた事態を議長声明でどう取り扱うか、関係国で神経戦が続いた。「南シナ海」の明記を模索した日本などに対し、中国は一貫して拒否。両者の対立が深まるのを避けるため、声明では具体名の記載は見送り、前回(2014年)をほぼ踏襲する表現で決着した。

 声明には「国連海洋法条約に従った紛争解決」という表現が盛り込まれた。「南シナ海」と具体的には触れられなかったが、日本政府関係者は「海洋における法律の順守は明確に言及されている。日本としては納得いく話だ」と評価する。

 当初、日本は声明に「南シナ海」を明記するよう関係国に働きかけていた。しかし、中国は「判決を受け入れない」との姿勢を崩さず、参加国との2国間協議でも「当事者間での解決が妥当」の一点張りだった。

 仏南部ニースのテロに関心が集中する欧州勢の強力な加勢は見込めず、日中間の対立が続けば議長声明が出せない事態も予想された。そうなれば判決で主張を退けられた中国の「外交的な勝利」を印象づけかねず、日本などは具体名の記載よりも声明の発出を優先させることにしたようだ。

 一方、声明には海洋摩擦を巡り、「信頼醸成措置の重要性」が新たに盛り込まれた。領有権問題のある海域で偶発的衝突が起きる危険性が高まっており、強い懸念を反映したと言える。日中間の海空連絡メカニズムや、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)が交渉中の行動規範策定を後押しすることにもなる。

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