五反田の助言により花山伊佐次のもとを訪ねた常子
（常子）私５年前に一度お目にかかった事がある…。
（花山）覚えてる。
甲東出版の小橋常子だ。
あの…。
私雑誌を作ったんです。
ですが思うように売れず…。
この雑誌の駄目なところを一度だけでも見て頂けませんか？駄目なところしかない。
そんな見もしないで…。
たまたま闇市で買ったんだ。
何を見せたいんだ？文章か？洋服か？テーマは何だ！？どのページを見ても同じような割り付けで飽き飽きする。
型紙も載せないで読者が本当に作れると思うのか？的確で圧倒されました。
（五反田）才能は抜群だ。
ただ…言われたんだ。
二度とペンは握らないとね。
常子は花山を説得しようと彼の店を訪ねます
もう一度お話しさせて頂けませんか？うちは貧しい家でね。
母は毎日とても苦しそうな顔をしていた。
「元始女性は太陽であった」。
平塚らいてう。
らいてうの「青鞜」を読み母はようやく明るくなったんだ。
私もそんなふうに人の役に立つ仕事をしたいと言葉や絵の仕事に就くようになったんだ。
だが気付いたんだ。
言葉の力の持つ怖さの方に無自覚のままそれに関わってきてしまったのではないかとね。
「爆弾は怖いが焼夷弾は恐るるに足らず」。
それを信じた人々はどうした？バカ正直にバケツで水を運んだ！もうペンは握らないと決めた。
どうしても女の人の役に立つ雑誌が作りたいんです。
苦しい暮らしに少しでも明かりを灯せるような雑誌を作りたいんです。
花山は次の号だけという約束で雑誌作りを手伝う事に
（花山）君が描いた挿絵は正面から描かれたものばかりだった。
だがそれでは動きがなく服のよさを十分に伝えられない。
あらゆる角度から視覚に訴えるんだ。
（美子）そうか…。
文学娘！
（鞠子）はい。
この挿絵に見出しをつけてみろ。
そんな叙情的な文章は必要ない！分かりやすく簡潔である事が大事なんだ。
では花山さんが見出しをつけるとしたら？確かに分かりやすい。
常子たちは花山の厳しい指導にもめげずについていきました
まあ合格点をあげよう。
（一同）はぁ…。
そして出来上がった「スタアの装ひ」第二号は想像以上の反響で売れていったのです
常子君。
今のままではすぐに売れなくなるぞ。
一朝一夕にはまねされない本を作るしかない。
こんな時代だからこそ伝えなくてはいけない事があるはずだ。
では。
花山は友人の事業を手伝う事にしたのですが…
（長澤）この辺り一帯だ事務所が入るビルの建設予定地は。
（花山）そうなるとここに住んでいる人たちはどうなるんだ？空襲で焼け出されて行き場がない人たちだぞ。
（長澤）こいつらは勝手に住み着いているんだ。
出ていけと言われて文句を言える立場じゃない。
・お〜い長澤さん！ああ！花山さん。
何の用だ？誰にもまねされない雑誌。
何となく分かったんです。
衣服だけでなく皆さんの生活が今日よりも明日と少しでも豊かになるような雑誌。
そんな雑誌を作る事ができたらとこのところ考えていたんだ。
夢みたいな雑誌だ。
私となら…必ずできます。
あの２人は何をしている？あっ鞠子と美子ですか？多分今家で…。
バカ者！一瞬たりとも遊ばせておくんじゃない！四六時中雑誌の事を考えさせておけ！すみません。
全く明日からが思いやられる！お力を…貸して頂けるんですか？君は家族思いだから孝行娘の手伝いをしてやるだけだ。
ありがとうございます！自分の人生の全てをかけて新しい雑誌を作ります。
よろしくな。
常子さん。
よろしくお願いします。
2016/07/17(日) 05:45〜05:50
ＮＨＫ総合１・神戸
５分で「とと姉ちゃん」 第１５週「常子、花山の過去を知る」[字]
雑誌への助言を求めて花山（唐沢寿明）を訪ねた常子（高畑充希）はもうペンを握らない理由を聞いて衝撃を受ける。しかし懸命に生きる女性のためにという熱意で説得を続け…
詳細情報
番組内容
雑誌への助言を求めて花山（唐沢寿明）を訪ねた常子（高畑充希）は、すげなく追い返される。もうペンを握らないと決めたという花山から、理由を聞いて衝撃を受ける常子。しかし懸命に生きる女性のために雑誌を、という強い熱意で説得を続ける。一方ひょんなことから小橋家を訪れた花山は、苦しい生活の中で、母と妹を必死に守る常子に心が揺れる。花山の助力を得て第２号に取りかかった常子たちは、そのアドバイスに驚かされる。
出演者
【出演】高畑充希，相楽樹，杉咲花，木村多江，唐沢寿明，及川光博
原作・脚本
【作】西田征史
音楽
【音楽】遠藤浩二
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード（ステレオ）
サンプリングレート : 48kHz
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