欧州と中東の結節点であるトルコでクーデター未遂が起きたことは、過激派組織「イスラム国」(IS)との戦いやシリア内戦に影響を与える可能性がある。各国はエルドアン政権を支持し、事態を注視する。
■米、有志連合への影響警戒
トルコは北大西洋条約機構(NATO)の加盟国だ。昨年7月には、米軍が主導する対ISの有志連合に対して、同国南部のインジルリク空軍基地の使用を許可。対ISの空爆にも参加を表明した。シリア北部から1500キロ以上離れたカタールなどの基地からの出撃に比べ、効率化の面で大幅な進展をもたらした。
だがトルコでは昨秋以降、ISや少数民族クルド人系武装組織によるとされる爆破テロが相次ぐ。エルドアン政権は双方に対する「二正面作戦」を強化してきたが、テロを食い止められないのが実態だ。
トルコ軍に詳しいカディルハス大学(イスタンブール)のアフメット・ハン准教授は今回のクーデター未遂について「指揮系統が乱れ、兵士らの士気を下げる恐れがある」と指摘する。
トルコが不安定化し、対シリア…
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朝日新聞国際報道部
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