トルコのクーデターの失敗はまず確実になったように思われますが、未だにクーデターの背景や実相は不明です。
取り敢えず、アラビア語、トルコ、イスラルメディアから、めぼしいところを取り上げておきますが、これらの情報は断片的なもの、またどの程度真実かの問題もあり、その点ご留意ください
・今もってクーデターの実際の首謀者が誰かは不明ですが、イスラエルのy net news はトルコメディアを元に2人の将軍の名前を挙げています。
一人は元空軍司令官Akın Ozturkで、もう一人は陸軍訓練学校司令官の Metin İyidil将軍とのことです
トルコ政府(軍)は彼らを含めて、2800名の参加者を逮捕したとしています。
また8名のトルコ軍人がヘリでギリシャに逃亡したが、ギリシャ政府は彼らを送還するとしていますが、彼らのランク等は不明です。
他方軍参謀長陸海,空軍司令官は、クーデター側に拘束されていたが、解放された由
・取り敢えず、軍関係の情報は以上ですが,仮にこれらの情報が事実であるとして、どうにも腑に落ちないのは首謀者とされる将軍が、軍の中の中枢ポストに居ないものであることで、これでは軍全体を動かすことはできず、失敗したのも無理はないかという気もします。
但し、1952年のエジプト革命の時も、実際にクーデターを動かしたのは、ナセル等の青年将校(基本的に左官級)だったが、その象徴的存在としてナギブ将軍を担いだこともある通り、今回も実際のクーデターの主役は左官級であった可能性があります。
他方、軍の最高幹部が全員拘束されていたというのも、どこか不思議で、もしかしたら彼らはあいまいな態度で、クーデター側にもいい顔をしていたが、最終的にひよったとの可能性もゼロではないかもしれない。
・いずれにしても、大統領府、政府省庁その他の重要官庁、軍司令部、TV放送局、飛行場等通常クーデターでまずは押さえるべき所を、初動段階で掌握できず、閣僚等も全員拘束しなかったことは、今回のクーデターがいかに拙劣なものであったかを示していると思われる。
このため、今回のクーデターが何を本当に狙っていたのか、不明なところがある。
おそらくはエルドアン体制の転覆を狙っていたと想像はできるが、それならまずは保養地に居たエルドアンの身柄確保、全閣僚その他政権の要人の確保が、、最重要なはずで、それと合わせて国民に対して、TV,放送を通じて、如何にエルドアンがトルコに害をなしてきたかを訴え、クーデター政権の目標等を公表するはず。
もしかすると日本の2:26事件のように、軍が立ち上がれば、国民もこれについてくるとでも思ったのでしょうか?
それは余りに甘いでしょうね。
・当面国内外ともにエルドアン体制支持、クーデター非難で一致していますが、エルドアン等は米国に居るこれまでの最大の政敵のFethullah Gulenが真の首謀者であるとして、米国が彼をかくまっていることを非難して、その引き渡しを要求しています。
これに対して、ケリー長官等は米国がトルコ内政に関係したことはないと否定しています。
勿論真相は不明ですが、常識的に考えれば、同師が反エルドアン体制の思想的指導者であったとしても、情報機関が非常に強力なトルコで、広範な人員を巻き込むクーデターの計画や指導等を遠隔地の米国から、どうやって行ったのか、はなはだ疑問で、まずは政治的な発言かという気がします。
その意味ではトルコ政府の米政府批判は的外れかと思いますが、仮に書簡やメールのやり取り等の証拠が見つかり、彼の関与が明らかになった場合には、深刻な2国間問題になりそうです。
・エルドアンは、クーデター参加者には厳しい対応をすると表明していますが、トルコは確かEU加盟交渉の一環として、死刑制度を廃止したはずです(そのため、死刑の確定したPKKオジャラン党首も終身刑となっている)
報道ではその復活の可能性があるとされていますが、早速仏大統領が、トルコが抑圧国家(現在でも言論の自由などは厳しく抑圧されているが)に戻ることに警告を発しました
・もう一つはエジプトの動きです。
安保理は緊急会合を開き、トルコのクーデターの試みを非難し、全ての国に対して民主的に選出された政府を尊重するように呼びかける、議長声明を出すはずでした。
ところが、この声明はエジプトの反対で挫折したとのことです。
エジプト外交筋は、国連がどの政府が民主的に選挙された政府かを見極めることはできないと説明したとのことですが、一般的な表現として「民主的に選挙された政府」の尊重は当然のことで、問題は具体的な案件が生じたときに、その政府が民主的に選出されたものか否か判断すれば良いだけの話です。
ということは、エジプトの反対は、いわば難癖とでも呼ぶべきもので、おそらくエジプトとしては軍事クーデターを非難する、というところを問題にしたのだろうと思われます。
しかし、エジプト政府の立場はムルシーを倒したのはクーデターではなく、民衆革命だというのだから、それほど目くじらを立てる話でもないと思います。
それにもかかわらずの反対は、やはり自分でも2013年(だったか?)の動きはクーデターであったと認めざるを得ないということなのでしょうね。
ついお里が出たというところでしょうか?
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4829140,00.html
http://www.hurriyetdailynews.com/turkey-urges-us-that-harboring-gulen-is-a-hostile-act-after-coup-attempt.aspx?pageID=238&nID=101688&NewsCatID=510
http://www.aljazeera.net/news/international/2016/7/16/مصر-تحبط-إدانة-مجلس-الأمن-محاولة-الانقلاب-بتركيا
http://www.alarabiya.net/
http://www.aljazeera.net/portal
http://www.hurriyetdailynews.com/high-ranking-generals-detained-in-turkey-coup-attempt.aspx?pageID=238&nID=101669&NewsCatID=341
取り敢えず、アラビア語、トルコ、イスラルメディアから、めぼしいところを取り上げておきますが、これらの情報は断片的なもの、またどの程度真実かの問題もあり、その点ご留意ください
・今もってクーデターの実際の首謀者が誰かは不明ですが、イスラエルのy net news はトルコメディアを元に2人の将軍の名前を挙げています。
一人は元空軍司令官Akın Ozturkで、もう一人は陸軍訓練学校司令官の Metin İyidil将軍とのことです
トルコ政府(軍)は彼らを含めて、2800名の参加者を逮捕したとしています。
また8名のトルコ軍人がヘリでギリシャに逃亡したが、ギリシャ政府は彼らを送還するとしていますが、彼らのランク等は不明です。
他方軍参謀長陸海,空軍司令官は、クーデター側に拘束されていたが、解放された由
・取り敢えず、軍関係の情報は以上ですが,仮にこれらの情報が事実であるとして、どうにも腑に落ちないのは首謀者とされる将軍が、軍の中の中枢ポストに居ないものであることで、これでは軍全体を動かすことはできず、失敗したのも無理はないかという気もします。
但し、1952年のエジプト革命の時も、実際にクーデターを動かしたのは、ナセル等の青年将校(基本的に左官級)だったが、その象徴的存在としてナギブ将軍を担いだこともある通り、今回も実際のクーデターの主役は左官級であった可能性があります。
他方、軍の最高幹部が全員拘束されていたというのも、どこか不思議で、もしかしたら彼らはあいまいな態度で、クーデター側にもいい顔をしていたが、最終的にひよったとの可能性もゼロではないかもしれない。
・いずれにしても、大統領府、政府省庁その他の重要官庁、軍司令部、TV放送局、飛行場等通常クーデターでまずは押さえるべき所を、初動段階で掌握できず、閣僚等も全員拘束しなかったことは、今回のクーデターがいかに拙劣なものであったかを示していると思われる。
このため、今回のクーデターが何を本当に狙っていたのか、不明なところがある。
おそらくはエルドアン体制の転覆を狙っていたと想像はできるが、それならまずは保養地に居たエルドアンの身柄確保、全閣僚その他政権の要人の確保が、、最重要なはずで、それと合わせて国民に対して、TV,放送を通じて、如何にエルドアンがトルコに害をなしてきたかを訴え、クーデター政権の目標等を公表するはず。
もしかすると日本の2:26事件のように、軍が立ち上がれば、国民もこれについてくるとでも思ったのでしょうか?
それは余りに甘いでしょうね。
・当面国内外ともにエルドアン体制支持、クーデター非難で一致していますが、エルドアン等は米国に居るこれまでの最大の政敵のFethullah Gulenが真の首謀者であるとして、米国が彼をかくまっていることを非難して、その引き渡しを要求しています。
これに対して、ケリー長官等は米国がトルコ内政に関係したことはないと否定しています。
勿論真相は不明ですが、常識的に考えれば、同師が反エルドアン体制の思想的指導者であったとしても、情報機関が非常に強力なトルコで、広範な人員を巻き込むクーデターの計画や指導等を遠隔地の米国から、どうやって行ったのか、はなはだ疑問で、まずは政治的な発言かという気がします。
その意味ではトルコ政府の米政府批判は的外れかと思いますが、仮に書簡やメールのやり取り等の証拠が見つかり、彼の関与が明らかになった場合には、深刻な2国間問題になりそうです。
・エルドアンは、クーデター参加者には厳しい対応をすると表明していますが、トルコは確かEU加盟交渉の一環として、死刑制度を廃止したはずです(そのため、死刑の確定したPKKオジャラン党首も終身刑となっている)
報道ではその復活の可能性があるとされていますが、早速仏大統領が、トルコが抑圧国家(現在でも言論の自由などは厳しく抑圧されているが)に戻ることに警告を発しました
・もう一つはエジプトの動きです。
安保理は緊急会合を開き、トルコのクーデターの試みを非難し、全ての国に対して民主的に選出された政府を尊重するように呼びかける、議長声明を出すはずでした。
ところが、この声明はエジプトの反対で挫折したとのことです。
エジプト外交筋は、国連がどの政府が民主的に選挙された政府かを見極めることはできないと説明したとのことですが、一般的な表現として「民主的に選挙された政府」の尊重は当然のことで、問題は具体的な案件が生じたときに、その政府が民主的に選出されたものか否か判断すれば良いだけの話です。
ということは、エジプトの反対は、いわば難癖とでも呼ぶべきもので、おそらくエジプトとしては軍事クーデターを非難する、というところを問題にしたのだろうと思われます。
しかし、エジプト政府の立場はムルシーを倒したのはクーデターではなく、民衆革命だというのだから、それほど目くじらを立てる話でもないと思います。
それにもかかわらずの反対は、やはり自分でも2013年(だったか?)の動きはクーデターであったと認めざるを得ないということなのでしょうね。
ついお里が出たというところでしょうか?
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4829140,00.html
http://www.hurriyetdailynews.com/turkey-urges-us-that-harboring-gulen-is-a-hostile-act-after-coup-attempt.aspx?pageID=238&nID=101688&NewsCatID=510
http://www.aljazeera.net/news/international/2016/7/16/مصر-تحبط-إدانة-مجلس-الأمن-محاولة-الانقلاب-بتركيا
http://www.alarabiya.net/
http://www.aljazeera.net/portal
http://www.hurriyetdailynews.com/high-ranking-generals-detained-in-turkey-coup-attempt.aspx?pageID=238&nID=101669&NewsCatID=341